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令和2年2月21日(金)
習近平国賓来日を決めた安倍総理の心理とは?  [政治・経済・安保]

 私は自ら取材を行うジャーナリストでも、政治評論家でもなく、単なる野次馬爺に過ぎませんので、そのおつもりで。

 これを書いている令和2年(2020)2月は、中国武漢発の新型コロナウイルスの国内感染が連日確認されていた時期です。また横浜に停泊させたクルーズ船の検疫対応を巡って、海外特に欧米からの批判が日本に向けられていました。今後この騒動がどのように進み、夏のオリンピック・パラリンピックにどのような影響を与えるか、まだ先の見えない状況です。
 もう一つ見えないものが、中国の習近平主席を国賓として来日させる件です。4月に来日の予定で、現時点においては日中両政府とも予定通りという姿勢を崩していません。とりわけ中国側はコロナウイルスへの国際的な批判をかわすためにも、日本訪問を是非ともやり遂げたいと考えているようです。

 習近平の国賓来日については、コロナ騒ぎの前から、安倍総理の支持層である保守層からも、かなり多くの反対がありました。理由のひとつに、天安門事件の後に日本政府が天皇を中国に訪問させるという誤った決定をしたことがあります。世界が中国への批判を強める中、日本が率先してその批判を封じ込めるような役割を果たしてしまったのです。今回も、米中対立、ウイグルなどの人権問題、香港問題、そして今回のコロナウイルスによって、中国は国際社会の中でその立場が大変厳しいものになっています。そのような状況下で、またも日本が率先して、中国を助けるような国賓来日を許せば、それこそ中国の思うつぼです。
 なにより、中国など外国の国々は日本人のように恩義を感じるほど甘くはありません。が、この問題はとりあえず脇に置いて話しを進めます。


 そもそもなぜ習近平の国賓来日が決定されたのでしょうか。これについては様々な見方が飛び交っています。その中で個人的には、国家の安全保障よりも経済を優先させた決定を、安倍総理自身が行ったのではないかと思っています。

 国家安全保障会議(NSC)局長が、これまでの安全保障重視の人物から、経済重視の人物に変更され、さまざまな憶測を呼びました。ですがこれは結果として、総理が、自らの決定に従う人物にすげ替えたということなのでしょう。むろん財界などの経済界からの圧力もあったことでしょう。また外務官僚など中国寄りの官僚や、政治家による圧力もあったことでしょう。しかしそれらは総理大臣が拒否すれば、どうにかできたはずです。むしろ総理自身が、そのような全体の流れの中で、経済優先を選択したのだと思います。

 ではなぜ彼は経済を優先させたのでしょうか。彼の悲願とも言うべきものは、言うまでもなく憲法改正でしょう。ですがそのためには、国民の支持が必要です。支持を得るには、経済状況が良いことが必須の条件です。正直に言えば、この7年間の経済政策は失敗であったと言わざるをえません。むろん彼はそれを認めることはありませんが、失敗とは思わないまでも、少なくとも考えていた通りにはならなかったことは認めるでしょう。

 本当であれば、金融政策によって2年程度でデフレを脱却し、その後は経済成長を少しでも先に進める。そんなシナリオを描いていたのは確かでしょう。金融政策といくつかの政策によって、企業の業績は好転し利益も上がりました。それに伴い雇用状況も改善されました。しかしながら国民の多くの受け止め方は、良い状況という認識を必ずしも持ってはいません。

 そのような状況下で、リアリスト(現実主義者)を自認する彼は、現在の中国との経済的な連携や中国人観光客の来日という環境を、何としても維持したいと考えたのでしょう。他がうまくいっていないのですから。このような考え方そのものが、すでに大局観を失っています。が、とにかく景気が下降気味だと気づいているのでしょう。だから必死なのです。

 なぜ、経済政策がうまくいかないのでしょうか。彼もしくは彼のブレーンたちの経済政策は、すべてがいわゆるグローバル化推進派の政策であった為です。むろん彼は、地方などをどうにかしようとして、特区制度や補助金等のばらまきなどを行いました。ですが、それは効果を上げていません。ですから中国べったりの経済状況を維持しなくてはならないと考えたのでしょう。
 中国人入国の制限をやらなかったのも、中国からの圧力だけで無く、インバウンド政策の中心である中国人観光客の減少は何としても止めたかったのです。それらすべてが裏目に出たわけです。コロナウイルスという国家の危機管理を考えねば成らない場面においてすら、危機意識を持てなかったのですから。


 では経済政策の何が問題だったのでしょうか。いうまでもありませんが、輸出やインバウンドなど、すべてが外国頼みの政策だったからです。何としてでも内需を拡大させ、国内消費を喚起するような政策を、もっと強力に推し進める必要があったのです。それはアメリカのトランプ大統領などが主張する自国第一主義とも呼べるものです。自国第一主義だけで、政策を決めることはもちろん誤りかもしれません。ですが、海外頼みの政策だけをやるのもまた完全な誤りなのです。GDPの6割以上を占める国内消費は、海外頼みでは上がっていきません。それどころか格差の拡大によって、一般国民の消費は減る一方です。

 内需振興策は、7年かけても目立った成果が見えていません。経営者達が自己中で自社の利益しか考えず、利益を労働者や社会に還元しませんでした。それどころか、日本での儲けを全て海外に投資してしまったのです。むろん地方や国民にも問題はあります。何しろ現状維持ばかりを要求して、ひたすら国からの金を待つばかりだったのですから。新しいサービスや製品の開発をもっと積極的に、自ら考えようとすべきなのです。改革は口ばかりの政治家達に、何かアイデアを求めることも無理です。与野党を問わず議員のほとんどが、皆自己中の塊なのですから。こうして、7年間の無策が、今の悲惨な状態につながったわけです。総理はこの事実をもっと理解すべきでした。


 これが習近平国賓来日を決めた彼の心理ではないでしょうか。むろんその決断は、完全に誤りであったと考えます。それにしても安倍総理は、まだ自らの過ちを正す道(方法)を見つけられていないようです。もしかしたら、自分の誤りそのものすら気づいていないのかも知れません。

令和2年2月21日(金)

CM1 居候
秋山鷹志