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「女児はなぜ逃げなかったのか」  ならば
「あなたはなぜ会社をやめないの」

 埼玉の女子中学生が2年の監禁からようやく逃げ出すことが出来たニュースは、相変わらず報道も過熱して連日テレビでも取り上げられている。むろんネットも加熱しているが。

 どうしても云いたいことがある。

 「女児は2年もの間、なぜ逃げ出さなかったのか」という疑問を、テレビが垂れ流し続けている事。専門家を呼んで、物理的な拘束とは別に精神的な拘束があり、人はそれから逃れられないのだという説明をさせている。さらに、今回の犯人は高学歴なだけに、より卑劣で「誰もさがしてなどいない」と云う洗脳もしていたらしい。
 そういう状態を正しく理解しないままで、MCをはじめ他の出演者達の愚かな発言がみられる。いくら専門家が説明しても、「デモやっぱり、おおかしいよな」と云う雰囲気をかもしだしながら、疑問を口にする。専門家の発言を、十分に理解してもいなければ、納得してもいないように見える。専門家が常に正しいとは限らないが、これについては正しい。

 すべての出演者が、心理学を学べとは言わない。だが、もう少し被害者への気遣いと想像力を持ってほしいと思ってしまう。

・まず被害者は未だ中学生のこどもである。なぜおとなと同じ思考や発想、行動を求めるのか。もう少し寛容さや常識をもてないのだろうか?

・暴力団に捕まって逃げ出せないおとな(男でも女でも)は、いくらでもいる。いくら物理的な監禁や暴力が怖くても、警察に駆け込めば良いだろうにと思ってしまう。だが、警察が頼りになるとはおもえない、後で仕返しをされるという恐怖は、常につきまとう。精神的な拘束も全く同じである。そう考えられれば、自ずから専門家の話も納得できよう。

・あなたはいまの会社に不満を持っていたとして、会社を辞められますか?やめるほどではない、収入が無くなる、次の所が見つからない、家族が反対する等々、色々と言い訳を並べて結局やめないでしょう。しかしそれは、結局会社を辞める勇気が無いと言うことでしょう。会社というくくりから逃げ出せない、いまの自分の仕事から抜け出せない、そんな人は日本中に満ちあふれている。会社という組織であれ、職業というくくりであれ、精神的に隔離された生活のくくりであれ、人間は日常のくくりを破壊するには、大変なエネルギーがいる。そのことを自分の身に置き換えて考えよう。

・実際、監禁をされてしまった人は、まず外部から助けが来ることを願うものである。それがだめだとなると、自分で逃げ出す思いよりも、時に見捨てられたとの感情が強くなってしまう。そうして物理的な拘束が無いことでかえって、あきらめたり、現状を追認してしまう。この程度の事は心理学を学ばなくてもわかると思うのだが。

・誰も助けになど来ないし、探してもいない捨てられたのだと洗脳されていたようである。おとなでもオームのように簡単に洗脳されることは、すでに日本人は学んだはず。

 頭では理解していながらも、つい疑問が口をついて出ているのだ、と信じたいのだが。

平成28年3月30日(水)
秋山鷹志