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エンブレム決定は 文化もまた日本回帰への証

 もめにもめた東京五輪のエンブレム。今日、最終案が決定された。四案の候補のなかからA案が選ばれた。発表を聞いて、正直意外な感じがした。唯一の単色であり、市松模様といういわば日本人にはよく知られたものだったからである。いわゆるデザイナーなどの専門家からは、とにかく四案の評判は悪かった(とネットでは伝えられていた)。

 B案は、どこかであったものの変形に見えたし、C案も風神雷神では日本人には目新しさはない。D案、朝顔ではこれまた見慣れている。つまり、個人的に見ても、独創性はさほど感じられなかった、逆に言えば、それないに安心して見ていられる図柄ではあった。それ故に、B,C,Dどれが選ばれても、個人的に特に反対はないなと思っていた。

 そうしたなかで、21名の審査員の内13名がA案に投票した。これは少し驚きだった。独創性という意味ではややインパクトに欠けるが、落ち着いて見られるし、日本人に違和感が無いという点では4案ともに共通していた。ならば、世界に打ち出す上で、単色や日本独特のアイ色は選ばれないだろうと思ったのである。にもかかわらず、A案が選ばれた。より日本的な特徴の作品が選ばれたのである。

 エンブレム制作者も、江戸小紋のいさぎよさと、夏なので涼しさを取り入れたと述べている。単色にしたのは、無限にある色の組み合わせを各自に施してもらおうと考えたという。作者がすべてを完成させずに、見る人などに委ねるという考え方もまた、日本文化来意考え方である。


 もめにもめた新国立競技場について、ブログ等で西欧崇拝派の挫折だと書いた。エンブレムも同じだとも。そして、期せずして国立競技場もエンブレムも、西欧崇拝から日本独自文化尊重に回帰する結果となった。それぞれの分野における、勢力図の変化なのか、芸術分野に依らず、あまりにもすべてのことが欧米崇拝に傾きすぎていた事への反動が、日本人の逆襲を引き起こしたのか、まだ本当の所はわからない。

 しかし、欧米が生み出した資本主義という経済体制が、これまでのように多くの人々を幸福にする力を失い、特定の人達だけに巨万の富を与える制度と化してしまったいま、行きすぎた資本主義への反発が、日本においては、行きすぎた欧米崇拝全体への反発として、芸術をはじめあらゆる文化において芽を吹きだしてきたと、私には強く感じられるのだ。この傾向は世界の若者に見られるのだろう。時代はいま新しい発想を求めている。

参考資料
『日本人の気質』
【外伝】五輪騒動に見る日本人の感性の劣化
【外伝】五輪騒動に共通する外来崇拝
【外伝】新国立騒動にも見られる振り子型変容
【番外編】新国立競技場からみる西洋と日本人の感性


   平成28年4月25日(月)
秋山鷹志