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台湾はもはや親日国で無いと知るべき

 世界の多くに国々を訪れたり、一緒に仕事をしたりする機会にも恵まれた。その中で、台湾は好きな国のひとつである。いやな思いをした国は結構あるが、台湾は仕事でも特にいやな記憶も無い。そして、いまも台湾の多くの人が、日本に対して親近感を抱いてくれているのも確かであろう。それでもなお、ここ数年の台湾を見ているとき、いつまでも過去の幻影にとらわれる日本人の悪い癖が出てこないかと心配になってきた。

 沖ノ鳥島を日本の領土と認めずに、違法操業の台湾漁船を海保が拿捕したことに抗議をしてきたのである。しかも、あろう事か、日本領と認めないと言うだけで無く、護衛艦を送ると言い出したのだ。親中派の最後の中国への義理立てと云うことはたやすい。だが、事はそれほど単純では無いと認識した方がよい。
「台湾の対日批判が先鋭化 漁船拿捕に抗議、沖ノ鳥島沖に巡視船派遣へ」 

 インドネシアの新幹線、オーストラリアの潜水艦と、相変わらず外交や国益が強く絡む事案で、日本の負けが続いている。日本外国の愚かさと気質の関係は、すでにしつこく述べてきたので繰りかえさない。(日本人の気質参照)これらの国を見てもわかるように、国際政治や国際関係とは弱肉強食野力の世界に他ならない。くわえて、自国利益と政治家の自己利益で動く物であり、決して理想や正義でなど動いてはいないのだ。ならば、台湾だけが違うなどと思うのは、幻想である。

 韓国同様に慰安婦問題解決の要求、尖閣諸島の台湾領主張など、単なる親中という域を超えて日本に対峙し始めている。この現実をもっと深刻に受け止めるべきなのだ。そして、これには二つの全く異なる理由が存在している。

 ひとつは言うまでも無い、中国の影響力増大である。親中派政治家だけでは無く、すでに経済界の多くが経済的利益のために日本よりも中国を選択している。また、中国の情報操作や国民思想の統制は、巧妙かつ広範で、相当一般の国民の間に浸透してきている。これには、やはり、同じ中華民族だという意識がどこかにある事は、否めないだろう。香港から民主主義派が身の危険を感じて、逃げ出さざるを得ない状況まで生まれていることは、この現実を良く物語っている。中華系民族の多く住む国々は、みな同じような状況にあると認識すべきであろう。

 もう一つは、意外かも知れないが、台湾人としてのアイデンティティが強くなったことが、理由に挙げられる。台湾人の意識調査の結果を見ても、その事ははっきりと見て取れる。自分は中国人ではなく、台湾人だという人が増えている。特に若い層では。
 それがなぜ、反日につながるのか。台湾人であると言うアイデンティティは、強力になれば民族主義である。中国にも反発するが、民族主義に目覚めた台湾人は、台湾の主権を侵すことには強い反発を起こすことになる。例えそれが中国によって作られた嘘であっても、中国人が反日意識を強く持つようになったことと同じ道である。中国はいわばそこをうまく利用している。

 台湾人の意識調査では、親日的なのはむしろ昔の年寄りの世代であり、若い世代では、昔ほど親日の度合いは高くないという結果もはっきりと出ている。このサインを見逃すべきでは無いだろう。(特に資料は上げないが、ネットを検索するとすぐに見つかるほど、当たり前になってきている)


 日本製品が好きで、日本で爆買をするからといって、反日意識が消えたわけでは無い。いつでも反日活動は、燃えさかる。アニメがすき、日本文化が好きだからと行って、台湾で反日活動が起きないなどと云うのは、日本人のお人好しな幻想であり、自画像の錯誤である。時代は動いている、その激しい流れを正確に見つめる眼が必要になる。


 最も怖いのは、親日だと思っていた国がいつのまにか反日だったと知ったとき、日本人の裏切られたという感情の爆発である。そうなると極端な行動も辞さなくなる気質が日本人にはある。日頃から、冷めた目を持とう。

平成28年4月30日(土)
秋山鷹志