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内向き・民族主義化ではなく、有効政策のなさが問題なのだ

 ローマ市長にEU離脱派の候補者が当選した。イギリスのEU離脱の国民投票もどうなるかわからない。アメリカでは、トランプやサンダース大統領候補の躍進があり、ヨーロッパ各国でも民族主義的な傾向が強いとされる保守系政党の躍進が目立つ。

 この動きに批判的なリベラル派やメディアは、これを各国の国民が内向きになっていると説明している。だが、果たしてそれはまともな説明になっているのだろうか?

 いま世界中で起きているこの傾向は、言い換えれば既得権者と取り残された人々との確執である。メディアといえど自分たちの生活が安泰で困らないいまの生活に安住している人は、既得権者である。これまでは、いわゆる中産階級と呼ばれる人々にもそれなりの恩恵があったので、このような格差による対立が目立たなかっただけであろう。国民の多数派である中産階級が、下級階層に落ちてしまい、しかもそれが国民の多数を占めるようになっている。そのような社会情勢に対して、既存の政治家や指導者層が的確な政策を打ち出せないでいる。

 日本のアベノミクスも全く同じであろう。ここまではとりあえず成功してきたが、すでに足踏み状態は長い。成功の成果が、中産階級に及ばない理由は多く有るのだろうが、道半ばだと認識しているのならば、それを打ち破る政策を出さなくては成らない。それは構造改革で、既得権層の猛烈な反対があって前に進まない。これが一般的な説明であるが、どのような状況であれ、それを打開するのが上に立つものの役割。TPPによる構造改革というのも、結局は逃げに過ぎない。今すぐ出来る事、やらねばならないこと、その政策をみいだせないだけなのである。いい加減で内需策を打ち出さなければならない時である。ばらまきをやめて、不公平と言われようが、やる気と計画のある地域に重点的に資金をまわし、かつ新しい産業の芽を半強制でも良いからやらせる。内部留保ばかりで賃上げしない、海外投資ばかりで国内投資をしない、そんな企業を見せしめにつるし上げる事も必要なのである。 多数派の中産階級が動き出せる政策、それは日本だけで無く、世界中が必要としている。

 国民の大多数を占める中産階級に有効な政策を、既得権に安住する政治家達には考えつけないのも、無理からぬ事かも知れないが。

 まだまだ、出来る事はたくさんある。過去の経済原理や政策にとらわれている限り、解決策は見いだせないだろう。真に優れた政策立案者が世界で求められている。

平成28年6月20日(月)
秋山鷹志