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情報収集能力の不足と広報下手

 バングラデシュの首都ダッカで人質を取ってレストランにたてこもったテロ事件。当然のように、治安部隊と軍隊が突入して、犯人6名が射殺されて一応の解決を見た。海外でのテロに法人が巻き込まれることは、これまで割に少なかったのだが、今回はどうやら多数巻き込まれたようである。1名の日本人が救出されたことは伝えられたが、他にも多くの日本人がいたようである。無事を祈りたいが...。

 この種のテロ事件。特に海外でのテロ事件で、日本の情報収集能力の欠如や、情報開示すなわち広告の仕方の稚拙さが、毎回気になっていた。今回も同じである。

 安倍政権においては、実に良く様々な事件・災害が起きる。それでも、総理の対応は迅速で、過去のいい加減な総理達から見ればはるかに危機管理への関心が高いと思われる。底までは良いのだが、そこから先だろう。いくら頭が考えても、手足が動かなければ意味を成さない。

 危機管理における外務省のひどさは、もはや救いようが無いレベルであるが、ではNSC廼メンバーでも、テロ派遣何チャラのメンバーでも、本当に機能しているのだろうか? 何かあったときだけ、急に動くことなど官僚体質では不可能である。だからこそ、どこの国でも緊急事態宣言で、政治家が法律を一時停止してでもすばやく動ける体制を取っているのである。そういう根本の考え方が、日本人の大方の気質(集団農耕型)にはない。危機に対応するのは武士で百姓では無いという歴史的な考え方が、そのまま現在にも生きてしまっているのである。

 NHKをはじめとするメディアはさらにひどい。イギリスのUK離脱には、多くの人間を何日も派遣して報道するくせに、危険なテロに日本人が巻き込まれたと云っても、決して現場に駆けつけようとはしない。それどころか、BBCやロイターなど他国のメディアの報道をそのまま垂れ流す。恥ずかしくないのだろうか?  日本人が巻き込まれて現地に対策本部がつくられたなら、直ちにその場に駆けつけて取材するくらいのことがなぜできないのか。まさに大企業病や官僚体質なのである。

 メディアはさておき、政府としての情報収集能力が、他国のメディアより劣るのは、あまりにも哀しいだろう。不確かな情報は流さない原則だと言い出すのはわかっている。だが、そのような事例、過去に一体いくつあったというのか。そんな言葉は、自分たちの無能さをごまかしているだけにすぎない。そんなジャーナリストなど、プロジャーナリストではあるまい。

 危機に当たっては、脅かさず冷静に、でも事実を少しでも迅速に開示する、これが情報開示の原則だろう。

 情報省を作ろうとしないのは、政治家だけでなく、官僚達も自分たちの過去のやり方では通用しないことを知っているから、作らせないのでは無いかと疑ってしまう。

 危機管理センターを直ちに開くことができるのなら、同時に情報収集のプロを情報省から現地に派遣する。そんな体制を取ることがいまの政治には求められている。今後も不安定な世界情勢が続くことが予想されているのだから、これこそ最重要課題のひとつであろうに。

平成28年7月2日(土)
秋山鷹志