文化

終わりに


 我々人類の出現は、いまから20万年前とか。文化の誕生が5万年前。文明と呼ばれるものは、2万年前でも前すぎるかも知れない。宇宙の歴史から見れば本の一瞬ほどの短い間である。だが、その時間軸の中で、人類は指数関数的増加と言える文化・文明の発展を成し遂げてきた。そしていま、混迷の世界、文明の転換期と呼ばれるほどに、混乱した時代のただ中にある。

 文化の表層の部分としての文明のとらえ方、文化と文明の全く逆の志向性、方向性の考え方、これらを元に人類史と現在世界とを俯瞰するとき、また違った見え方が出来るのかも知れない。それが、本稿を書いた理由である。その意図がどれほど伝わったのか、どれほどの波紋を広げられたのか、正直よくわからない。

 人類の文化と文明などというとてつもなく大きな題材を何の能力も知己すらも持ち合わせない身で挑んだのは、滑稽以外の何者でもあるまい。それでも、いつの日にか、このような視線で分析や解説されたまともな論が提示されることを、心から願ってやまない。


 なお蛇足ながら、さまざまな項目や概念については、すでに「日本人の気質」において相当詳細に述べている。それらを再度掲げる気にはなれず、本稿だけでは説明不足の感は否めないだろうと思う。それは「日本人の気質」を読むことでご容赦いただきたい。本稿は、前稿の追加という意識をもって書かれていることをご承知いただければ幸いである。

平成28年6月10日(金)