烈風

新国立競技場は日本人の知性問題
(新競技場私案)


 誰も責任をとらないくせに、自分たちの思うように事を強引に進め、それが国や国民の将来に多大な迷惑をかけても恥じることが無く平然としている。これは集団農耕型気質の人間だけが権力を握ると、己のくくりに対して病的な撞着を成し、より大きなくくり(ここでは国や将来の国民)への悪影響を無視することになる。戦前の軍部と同じであるとすでに指摘してきた。どうやら、さすがに安倍総理も動き出さざるを得なくなったらしいので、それを待ちたい。

 で、ここではさまざまな問題点、ラグビーに間に合わせるとか、8万人規模がほしいとか、芝のメンテとか、いくらでもあるのだろうが、それらをまとめて解決し、さらにコストも下げる私案を提示したい。


 東京ではいまお台場などの臨海部の開発が進んでいるが、それでも、まだ競技場を3つ作るくらいの土地はあるだろう。基本的な考え方は、それぞれ特徴ある競技場を3つ同じところにひとつの塊でつくる。ひとつは芝の無い陸上などに使える競技場。ひとつは芝を使う競技用の競技場。最後が、屋根付きの芝の無い競技場でコンサートなども出来るタイプのもの。特定の競技だけでなく、各種競技が出来てこその国立であろう。それなら金をかける価値もある。実際、さまざまな競技で1年中使用できれば、維持費回収も楽なはずである。

 いま問題を大きくしているひとつが多機能という名の無理な合体施設の基本的な考え方である。それをやめれば、非常にすっきりする上、1年中使用可能となる、さらに維持費も安く済む。民間への委託もやりやすくなるだろう。いずれにせよ、こうすれば工期もラグビーに十分間に合うだろう。屋根付きを後にすれば良いのだから。

 大きさであるが、基本的に5万人規模で良いはず。では8万人要求をどうするのか。これがこの案の優れたところであり、今後こういうものが世界でも採用されるであろう。仮設席3万人分は、ふたつの競技場にまたがり、自由に向きを変えられる施設を両競技場にまたぐ形でつくる。しかも、ここからさらにすごいのは、その部分を別建物の中に組み込むのだ。つまり建物の2階だか3階だかしらないが、そこがくりぬかれていて二つの競技場にまたがっているのだ。しかも席を可変にしておけば、どちらの競技場でも仮説3万席がそのまま増やせるのだ。

   さらに3つの競技場と建物をひとつのデザインにまとめ、建物のある部分を広場にすることで他にも利用が広がるだろう。広場の競技場の無い部分が海に向いていれば、そこで花火大会でもやれば、人も集まれる。仮説席の向きを競技場以外にむければ、花火大会の特等席になる。

 建物はそれほど高層にしなくてもよいだろう。が、仮説席だけではもったいないので、上部をホテルにすれば、宿泊と競技観覧とのセットも生まれる。

 こうして世界に無い発想とデザインの施設がうまれることになる。それを実現する技術も日本にはあるだろう。これこそ世界に誇るものとなるはず。

新国立競技場


 最後に、訳のわからないデザイナーの扱いである。違約金を払うなどと言うのはばかげた話である。1300億予算をはじめに伝えたのなら、出来ないものを提案したのだから逆に提訴すべきである。これが、外人とのつきあい方である。が、お金に余裕があるのならば、良い解決策がある。いまのデザイン案ではなく、最初のスマートな案をそのままにして、大きさを1/5位に縮めて、いまの国立跡地に作る。全く別のものに使えるし、デザインを活かしたものも考えられよう。もちろんオリンピック後でよい。



 傲慢な、自己中心的なくくりへの撞着をやめれば、アイデアはいくらでも出てくるものなのだ。

平成27年7月15日(水)
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