烈風

教師らと教育委員会に
自殺教唆罪適用を


 大津の中学生いじめ自殺事件は、そのいじめの内容の酷さと、学校や教育委員会 など教育関係者の隠蔽、うそに、吐き気をもよおすほどになる。

 教育界全体の根本的な改革がなくてはどうにもならないのだが、すくなくとも今回 は警察が動いたのである。これを良いチャンスと捕らえて、教育関係者にいじめは 犯罪であり、その結果の自殺は重大な犯罪であるということをわからせるべきであ ろう。

 そして、それは、いじめをした子供だけではなく、それを放置した全ての教育関係者 が、犯罪の加害者なのだとわからせることである。 このさい、見せしめといわれてもやむを得ない。教師たちに自分たちは犯罪者なんだ というショックを与えることは、今すぐできるいじめ対策のひとつでもある。


 自殺教唆(きょうさ)罪というのがある。テレビでも何人かの弁護士が言及している。 要するに、自殺に追いやった人間が問われる罪である。「自殺の決意を抱かせる事に よって人を自殺させた場合に自殺教唆罪となる」という。なお、自殺が本人の意思で なければ、それはさらに重い殺人になる。

 いじめの暴行罪よりも、自殺教唆罪は重い罪である。当然いじめをした加害者に適用 が検討されているのであろうが、私は、担任教師、校長、教育委員会などの教育関係 者にも拡大適用すべきであると思っている。いじめを認識していながら、適切な処置 をとらないということは、犯罪を黙認したのであるから、重大な共犯とみなし得ると 考える。

 とりわけ、今回の担任教師は、限度を超えている。いまだまったく謝罪もなければ、 マスコミの取材を拒否して薄ら笑いを浮かべているという。教師以前の人間としての 失格者を処罰できなければ、全国の教育関係者にこれからも謝ったメッセージを送り 続けることになる。見つからなければ良い、見つかっても罪にはならないと。

 この論は、私だけの暴論ではない。アメリカでのいじめに対する法律では、教師など が適切ないじめ対策を行うことが義務付けられており、それを実行しているならば、 いじめの被害者から告訴されないことになっている。逆に言えば、対策をしていない 限り、告訴されるのも当然という考えである。
(詳しく知りたい方は、国会図書館のHPで「いじめ」を検索すればよい。)

 もう、いい加減で、いじめと自殺の報道はなくなってほしいものである。

2012.07
秋山鷹志