烈風

  原発ゼロにアメリカが反対する理由


 原発を全廃するかどうかの問題については、何度も書いてきたので、ここでは触れない。

 今回、野田総理が原発ゼロを閣議決定できなかった、ま、もともと彼はゼロに賛成ではないのだから、当然かも。その理由のひとつとして経済界と共にアメリカに反対されたことがあげられている。

 なぜ、アメリカが日本の原発ゼロに反対するのか。ドイツには言わないのにおかしいではないか?これは、触れてはならないことでもあるようで、マスコミもほとんど解説しない。ま、経済界よりの新聞などが、アメリカの言い分をそのまま載せたりはしているが。

 アメリカが、日本の原発ゼロに反対する表向きの理由は二つ。ビジネスと安保である。ビジネスというのは、日本の経済的衰退は、日本からの金が引き出せなくなるのでまずい、とは表立って言わない。ま、こちらのいろいろな理屈は面倒なので省略しよう。

 もうひとつの安保。これが問題である。アメリカは、安保を対中国への原発技術力の対抗上も問題であるなどといっている。が、たてまえであろう。

 本当の反対理由は、日本の核武装阻止である。

 原発の運転をやめれば、たちまち、核兵器の原料が大量にたまってしまう。それは何としても阻止したいのが、アメリカの本音である。だから、青森県等の意見を聞いて核燃料サイクルを続けることにしたとの政府の言い分は、明らかな言い訳に過ぎない。


 「中国や朝鮮が核武装してもよいが、日本には決して許さない」と、堂々とアメリカの政府関係者が答えているのだ。日本人は、このアメリカ人の日本に対する本心を忘れてはならないだろう。むろん、全てのアメリカ人が、いまだに日本を敵対しているとは言わない。だが、日本製品への過激な破壊をしたアメリカが、中国には甘いのも、そのことと無縁ではないと知るべきであろう。だからといって、反米を唱えよ、などと言う気はもうとうない。落ち着いて!

 このことをきちんと伝えていたのは、私が知る限り、BSのある番組位である。

 日本人よ。あらゆることに敏感になろう。そして、冷静に見つめよう。

2012.09.20
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