烈風

産業構造改革:現状の問題点


 日本の社会はここ20年以上にわたって、ひたすら現状維持の為に大切な税金を投入してきた。その結果、本来変わらなければならない産業構造は変わらず、新しい産業も起きず、ひたすら借金だけが積み上がってしまった。その金額、1000兆円という巨額。しかも、そのツケを後世に回して何ら恥じることもない、無責任で厚顔無恥な国民に堕落してしまった。

 もう残された時間はほとんど無い。痛みを覚悟で、社会変革を成し遂げねばならない。とりわけ、産業構造の様々な問題点を、全て破壊するような強力なリーダシップが必要とされている。そもそも、いったいなにが問題なのかすら、よく理解できていない企業関係者達も多い。おもいつくままに、現状の問題点、課題を列記してみたい。すべては、そこから始まる。
・各種神話の存在と経営者の覚悟不在
  −資源のない国
  −輸出しないと食べていけない貿易立国
  −右肩あがりの成長が不可避

・20年に及ぶ無為無策と不作為
  −教育の劣化
  −人間の質の劣化
  −自立なき依存体質
  −労働意欲の減退
  −社会不安を起こさせる犯罪や社会環境の悪化(件数ではなく社会のうけとりかた)
  −社会全体に広がる不信感(政治、福祉などの社会制度、権威、既存の体制等への)
  −既得権者への過剰保護な政策
  −極端な規制緩和と不用な規制の混在

・新産業が起きてこない
・古い産業の維持と保身に終始
・右肩上がりの社会構造の放置
・労働条件格差の拡大(正規、非正規等)
・先端技術の無保護、流出
・情報軽視
・内需不在と海外頼りの依存体質
・実践的人材の不足
・労働力と労働条件の不一致

・丸投げの構造と階層が多すぎる
・下請けが細分化しすぎ
・中小企業がいつまでも零細なまま成長しない
・同一業種への過剰参入
・国内企業間の過当競争と対外競争力の不足
・終身雇用制度時代の制度による利益減少要因(企業年金、退職金等)
・株主配当への過度の偏り(リストラしても配当減をしていない)
・新規投資不在(新規事業、国内等)
・安易なリストラによる縮小均衡策の破綻
・実質的独占企業の弊害
・過剰品質
・かかりすぎる開発費
・ホワイトカラーとサービス業の労働効率の悪さ
・リスクマネジメント不在(特にカントリーリスクへの無理解)


 これらは、相互に関連し合い、ひとつだけ取り出して解決策が立てられるような物ではない。したがって、総合的な、バランスの取れた、しかし、短期的には破壊を伴う改革になる。既得権保護主義者も、新自由主義者も、大きな政府指向主義も、要は偏った政策では、日本の産業の再生は困難である。

2012.10.14

民話
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