魂の正体・構造

魂は生者に宿り、霊は死者に宿ると説明しました。大まかにはそれで充分ですが、なんとなく不満なかたもいることでしょう。


たとえば、幽体離脱なんて、肉体に縛られていないではないかと思う人もいるのではありませんか。ま、幽体離脱も、肉体と幽体とはへその緒のようにつながっているし、あまり長いこと肉体からはなれていると、戻れなくなってしまうともいわれますから、縛られていることは確かなようです。

では肉体を離れた魂とは、そもそも何でしょうか。私は、思念(思い)だと思っています。人間の思い(思念)のエネルギーの塊が、魂や霊の正体(本質)だと思うのです。

この考え方は日本人一般にも受け入れられていますし、世界の宗教やスピリチュアルの世界観ともかなり一致する部分があります。

日本人一般の感覚

「魂=思い・気配・念のエネルギー」という理解が非常に強いです。宗教的教義よりも 生活感覚としての霊 が強く、次のような特徴があります。

①「霊=思いの残り」
  恨み、心残り、愛情、執着、など、感謝など、感情の強度が霊の正体だと感じる人が多い。

②「霊はエネルギー的なもの」という直感
  日本人は「気」「念」「波動」「空気」など、非物質的な力の存在を前提にする文化です。そのため、霊=思念のエネルギーという捉え方は、むしろ自然です。

③「人格より“気配”として感じる」
  西洋のように「霊=死者の人格そのもの」というより、日本では、気配、影、念、祟り、守り、といった 作用・影響 として捉える傾向が強い。

つまり日本人の多くは、霊を“思いの作用”として感じているわけですね。

世界の霊魂観

「人格としての魂」が主流ですが、エネルギー的理解も広く存在します。

① キリスト教・イスラム教圏(人格型)
  魂は「神が与えた人格の核」であり、死後も 個人として存続するという考えが強い。思念のエネルギーというより「人格の延長」ですね。

② インド・チベット(思念エネルギー型)
  ここは驚くほど近い。思念は実体を持つ、執着が霊的存在を生む、怨念は独立して動く、心のエネルギーが世界を構成する。
  仏教・ヒンドゥー・ボン教などは、「思い=エネルギー」という世界観を明確に持ちます。

③ アフリカ・オセアニア(力の霊)
  ここでは霊は「力」「影」「生命力」として理解されています。霊=生命力の残滓、感情や念が霊的作用を生む、祟りや守護は“力の流れ”として説明されます。

④ 西洋スピリチュアリズム(情報・波動型)
  近代以降の西洋では、霊を波動、情報体、エネルギー場として捉える思想が広がっています。科学的な言葉を使っているだけで、本質は「思念エネルギー型」に近いですね。

霊=思念のエネルギーであり、霊的作用=感情の強度と執着が生む現象である、との考え方は、世界でも共通のようですね。

魂の構造

魂は 三層構造+二相性(和魂/荒魂) を持つと考えると、ほぼすべての文化圏の霊魂観を矛盾なく説明できます。では魂の三層構造とは、どのようなものでしょうか。


◆第一層 本質核(こんしつかく)
 ・魂の中心。変化しない“存在そのもの”。「ほんしつ」ではなく、「こんしつ」です。神道ではこの部分が、神様とつながっていると考えます。思念ではなく、思念を生み出す源泉です。人格や記憶が消えても残る領域です。
 ・魂の中心。変化しない“存在そのもの”。生命の根、「私であること」の核。
 ・神道でいう 直霊(なおひ) に近い。
 ・仏教でいう 識の最深層(阿頼耶識) に相当。
 ・世界的には「スピリット」「アートマン」に近い。

・なぜ「ほんしつ」ではなく「こんしつ」なのか。これは単なる読みの違いではなく、概念の深さに関わります。本質(ほんしつ)は、性質・特徴・本来の姿という“説明的な言葉”です。それに対して、本質(こんしつ)は、存在の根源・根本の霊的核という“存在論的な言葉”なのです。古語や神道の文脈では、「こんしつ」は “根源の霊” を指すニュアンスが強いのです。

・人格や記憶が消えても残る領域は、まさに 神霊(しんれい) の階層です。これは、神道でいう 直霊に最も近いのですが、直霊は「神の分霊(わけみたま)」であり、人の中に宿る“神性そのもの”ですから、本質核=直霊=神霊の核と言う構造が成り立つわけです。人が死んで神になれるのも、この構造があるからです。

◆第二層 思念層(しねんそう)
 ・感情・執着・願望・恐れなど、魂が発するエネルギーの層。因縁・祟り・守護霊はここで説明できます。喜び、恨み、愛情、執着、祈り、怨念、残留思念、これらはすべて 思念層の動きです。
 ・死後に問題を起こすのも、守護として働くのも、この層の“濃度”と“方向性”によるのです。
 ・感情の強度が高いほど“形”を持ち、執着が強いほど“残る”特徴があります。
 ・本体(本質核)から独立して動くことがあります。

◆第三層 人格層(じんかくそう)
 ・生前の記憶・性格・価値観・癖など。これは“肉体と結びついた魂の仮の姿”であり、死後しばらくは残りますが、時間とともに薄れるものです。生前の記憶・性格・価値観・癖など。
 ・供養や祈りで安定し、祖霊化します。世界宗教が「魂=人格」と考えるのは、この層を指しているのでしょう。


魂の二相性

魂は三層構造を持つだけでなく、常に二つの“状態”を行き来します。
 和魂(にぎみたま)と荒魂(あらみたま)と呼ばれるものです。これは別々のものではなく、1つの魂のある状態を表す言葉です。思念層の状態変化といえます。この概念は、様々な神ノ道と関係してきます。

◆和魂(にぎみたま)
  調和、安定、守護、祖霊化、感謝・祈りで強まる

◆荒魂(あらみたま)
  動揺、怒り、執着、祟り、未練・怨念で強まる

神道では、魂の分類や捉え方で異なる考え方も色々ありますが、神ノ道ではこの二相性で充分に説明が出来るものと考えます。

魂は三層と二つの状態をもち、それぞれの層から様々な概念が生まれること、死んで霊に変わること、第三層が次第に消えていくことを理解しておいてください。

 本質核……存在そのもの(変わらない)
 思念層……感情・執着・念(魂のエネルギー):和魂と荒魂の状態
 人格層……記憶・性格(死後は薄れる)
 肉体 ……魂が着たぬいぐるみ



注意:ここで述べられていることは、一つの考え方に過ぎません。特定の宗教・霊的世界観に基づくものでもありません。こんな風に考える事も出来ませんか、と言うことです。惑わされることなく、ご自身の考えを深めてください。その際に何らかの参考になればよいのです。