PSYCHOLOGY & BRAIN SCIENCE 01

気質と性格

気質と性格の違いを、人物像と脳の働きから考えます。

 日本人の気質については、これまでずいぶんと書いてきました。そこで、ここでは、その最も基本の事柄だけ抑えていただければと思います。イラストなどを使いながら、いくつかの項目を説明します。マップでも示したように、6つの言葉を理解していただけば、日本人を見る目、社会を見る目、政治家を見る目が、かなり変わってくることと思います。

気質と性格

 世の中にはじつにいろいろな人がいます。見た目のちがいだけではなく、優しい人、うるさい人など実に多彩です。一人一人がそれぞれの人格を持つことがよくわかります。ですが、この全人格、実は大きく二つの要素からなるのです。それが気質と性格です。普段の生活においては、気質も性格もほとんど同義語で使用されています。そして、それで特に問題はありません。ですが、心理学などでは、厳密に別の言葉なのです。そして、そのことが人間を正しく理解する上でも有効なのです。是非覚えておいてください、必ず役立ちます。

 

 イラストは、見た目も派手な女性と、控え目な女性が描かれています。全く別の人物ととらえられます。ですが、本質はどうでしょう。また、「あの人変わった。」などと日常でも使われますが、本当なのでしょうか。それらは人格を気質と性格に分けて考えることで、容易に理解可能なのです。

 気質と呼ばれる部分は、生まれながらもっている特徴で、なかなか変わりずらいの対し、性格の部分は案外簡単に変わるものなのです。イラスト女性の胸に同じ気質を描かれているのは、そのことを意味しています。つまり同じ気質を持った双子のような人物でも、環境などで性格部分が変われば、人格そのものもかわってみえます。
 このことがまた、様々な問題を引き起こすことにもなるのです。例えば家庭でのしつけが大切なのもそのためです。本来優しくまともな気質なのに、DVやネグレクトなどのゆがんだ育てられ方をすれば、性格も粗暴でひねくれた人間にもなるのです。このように、気質と性格の違いは、権力者、政治家などにも関係する、重要な事柄なのです。そしてこれは、次にお話しする日本人の二つの気質型とも関係してきます。気質と性格の違いについては、そのあと再度取り上げることにします。もう一度両者を定義付けだけしておきましょう。

気質(temperament)・性格(personality)・国民性(National character)

 「気質」は遺伝的な影響を強く受けた先天的な因子であり、「性格」は人間が成熟して大人になるまでの種々の環境に大きく影響される後天的な因子です。気質はなかなか変わりづらいのに対し、性格は変えられるのです。
 「気質」「性格」ともに遺伝の影響を受け、両者を分けるものは意識との関係にあるとか、気質は無意識に周囲の環境に反応してしまう特徴であり、性格は意識的な行動であるとか。行為の性格はパーソナリティと呼ぶとか、専門的には小難しい話があります。
 ですが、覚えていただきたいのは、ただひとつ『気質は根源的でかわりずらいが、性格は環境などにより簡単に変わる』ということです。