私たちは、目の前にあるものを「そのまま見ている」と感じています。 しかし実際には、外界の情報は感覚器を通り、脳で処理されてから、 私たちの「見えた」「聞こえた」という体験になります。
つまり私たちが意識しているのは、外界そのものではなく、 外界から届いた情報を脳が組み立てた知覚です。
「見る」までの道筋
下の5段階を順に押してみましょう。 ここでは「赤いリンゴを見る」という例で考えます。
錯覚と幻覚はどう違う?
通常の知覚
外界から刺激があり、脳がそれを処理して、比較的安定した知覚が生まれます。
錯覚
外界に刺激はありますが、脳の解釈によって実際とは違った見え方・聞こえ方になることがあります。
幻覚
対応する外界の刺激が十分にないのに、見える・聞こえるなどの知覚体験が生じることがあります。
脳は「受け取る」だけではない
脳は、感覚器から届いた情報をただ受け取るだけではありません。 過去の記憶、予測、注意、感情、周囲の状況なども使いながら、 「これは何か」を解釈します。
そのため、同じ刺激でも、人や状況によって見え方・感じ方が変わることがあります。 私たちの知覚は、外界と脳の共同作業と考えることができます。
心の現実とは何か
私たちは、脳が作り上げた知覚を通して世界を経験しています。 だからといって「現実は存在しない」という意味ではありません。
外界があり、感覚器があり、脳がある。
そして最後に、私たちが「現実」と感じる世界が生まれる。
その仕組みを知ることは、心の世界を理解する第一歩です。