On草子
紅菊



怒 り

  どこから現れたのか   わなわなとその身を震わせている   怒りは天空に激しくぶつかる   怒りの渦はまわりを飲み込み   激しい風を呼び込んでいる   風が雲を 雲が雨を 呼ぶ   激しく降りしきる雨の中   怒りはさらに燃え盛る   巨大な火柱があがる   怒りの炎がふきだす   さまざまな物を渦から吹きだす   恐れ 嫉妬 空しさ せつなさ   はじかれるようにでてくるものは   怒りの渦にまつわりつく   果てしない噴出がようやくやむとき   小さなものがゆっくりと顔をだした   それは怒りと重なった   怒りは次第に小さくなっていく   小さな小さな青白い炎となった   それはゆっくりと小さな炎を包んだ   寂しさは 内に怒りの炎を抱えたまま   どこかに消えていった   後には寂しさの置き忘れた   孤独だけが残された

秋山鷹志 On草子へ戻る 紅菊へ戻る

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