On草子
紅菊



春の宵

   激しく舞う 白い色    淡い薄紅色 乱れ舞う    両手をいっぱいに広げた夜    ふりほどくように    色が舞う    風がするどく 哭く    眼をとじ 心がひらく    花びら ひとつ     小さな手が優しくつつむ    ひとつ また ひとつ    いつしか わたしは    風に舞う 桜吹雪     とけこむ 薄れて行く    声が聞こえた    あなたのやさしさ    肌に感じた    風が また嚶(ささや)いた    ただ 春の宵

秋山鷹志 On草子へ戻る 紅菊へ戻る

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