情けない日本 米・ウクライナ資源協定

 ウクライナとアメリカが、鉱物資源協定に著名した。50%の資金を出し合って基金をつくり、ウクライナにある資源を共同で開発するもの。アメリカの拠出金は現金だけでなく、軍事システムなどでも良いと言う。アメリカは今の無償の軍事支援をいわば資源と引き換えに出来る、一方ウクライナも継続して軍事支援を受けられる可能性が高まった事になる。

 こういう協定や条約を、日本は何故結べないのであろうか?支援と言えば常に一方的に持ち出すことがほとんど。とくにウクライナ支援などは、理念や世界秩序への貢献が主である。将来日本が巻き込まれる紛争時に、先進国からの支援を期待する、いわば約束もされていない保険でもある。ですがウクライナを見てもわかるように、結局自国は自分達で守らなければ誰も助けてくれないことがはっきりした、今の世界のなかで、から手形にもならない保険に頼るなどあまりにも情けない話です。

 しかし、日本がアメリカのような協定を結べないのには理由があります。ひとつは、日本には、ウクライナのような豊富な資源、レアアースのような貴重な資源がないことです。実際には海底などに豊富にあるのですが、この話は脇に置きましょう。もうひとつ、より重要なことは、日本には技術力が無いことです。技術立国などと言いますが、それは過去の幻想です。AIをはじめとするIT、デジタル技術では、グローバルサウスの国々にまで抜かれてしまいました。

 より深刻なのが、資源開発力です。たとえば、アメリカはシェールガスで資源国の立場に戻りましたが、この地下深くにあるシェールガスは、世界中に埋蔵されているのです。ですが、それを取り出す技術力が、各国にはないのです。この様に、石油をはじめとする資源開発にはそれなりの高度な技術力が必要なのです。残念ながら日本にはそれがないのです。
 無いなら、学ぶか、挑戦し続けて習得するかなのですが、日本は何もしてきませんでした。開発コストが高いから、他から買ってきた方が有利などともっともらしい理屈は言いますが、嘘なのです。やる気がないのです。既得権者が邪魔をするのです。政治家をはじめ、だれも挑戦しないのです。
 その結果、スマホも半導体も今のような状態になりました。30年以上にも「ゆでガエル」状態が続き、経済だけでなく社会そのものが劣化してしまいました。さらにこのまま食料とエネルギーを海外に頼り続ければ、いずれ自滅の入り口を覗くことになるでしょう。両方に関わる技術力を身につけるためにも、今すぐ技術力向上の挑戦を始めなければなりません。皆さん、意識を変えましょう。

令和7年5月1日(木)

2025年05月01日|分類:政治, 科学