コロナ時のクルーズ船騒動が残したもの

DMAT善意頼りの限界では コロナ時のクルーズ船騒動が残したもの

 

 コロナ騒動の時に、患者が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜に寄港して、その対応をめぐり大騒ぎになりました。私は見ていないのですが、去年NHKの新プロジェクトXでも取り上げたようです。このとき、乗客全員を下船させるためにDMATが活躍しました。
 DMATは、阪神・淡路大震災時の混乱を教訓にして作られた、災害派遣医療チームの事です。大規模な災害など緊急性が求められる時に、いち早く現場に駆け付けて人命救助活動に当たる意思や看護師などからなるチームです。
 この時チームを率いた隊長をはじめ、乗客を下船させる作業にあった業務調整員の隊員などが、その時の困難な状況をかたりました。乗船しておる乗客を下船させることには、国内からも反対の超えが有りました。

 こうした困難な状況の中で任務をやり遂げた方々には頭がさがります。しkし、問われた問題・課題がどこまで解決されたのでしょうか。
 特に2つの課題を取り上げたいと思います。組織体制や支援体制など多くの課題がありますが、ひとつが、周囲の人々の意識の問題です。この騒ぎにおいても、コロナ患者だけではなく、医療チームのメンバーにもいわれなない差別や偏見に基づく、中傷や攻撃が行われたのです。それも当事者にたしてだけではなく、その家族にまで被害が及んだのです。
 例えば、子供を保育園にあずけようとしても、他の父兄が反対したり、子供に対して周囲の子供からのいじめもあったそうです。残念ながら、日本では科学的根拠のうすい言動にまどわされたり、偏見による差別行動を取る人が、まだまだ一定数います。学校における、人々の意識を正しく導くような教育が不足していると言わざるを得ません。

 もう一つの問題が、人々の善意にすべてを頼るやり方です。差別などで、チームから離れざるを得なくなった人がでた為に、人員確保にまで影響が出たそうです。国や自治体は、依頼したら終わりというのではなく、寄り積極的に、活動が円滑にいくような、いわば半強制的な仕組み作りを考えるべきではないでしょうか。それぞれのチームが縄張りに囚われず、ひとつのチームとして動ける指示権が与えられるなど、考える余地は有るように思うのです。さもないと、地域の消防団のなりてが無いように、緊急医療チームのなり手も亡くなる恐れすら有ります。

 票にならない事に政治家は熱心ではありません。ましてや、いつどこで起こるかわからない大規模な事故や災害への対応はあとまわしになります。単に経費とだけ考えるのではなく、よりビジネス的な要素も含めたシステム作りが求められているのだと考えます。皆さんどう思われますか?

令和7年5月2日(金)

2025年05月02日|分類:政治, 社会