繰り返されるストーカー殺人

繰り返されるストーカー殺人 急務な警察改革

 川崎で起きたストーカー殺人事件は、テレビでもSNSでも大きく取り上げられています。その経緯が明らかになるにつれて、また今度も同じ事の繰り返しか、と心が暗くなります。ここで詳しく語ることはしませんが、どうしても指摘せざるを得ないいくつかの点だけとりあげてみます。

・ストーカー被害者への警察の対応が不十分
  DVまで行われて被害届も出されたのに、脅されて届けを取り下げたら、あとは知らん顔。
  失踪の前に9回も警察に連絡をしているのに、何も対応を取らなかった。
・家族をはじめ被害者側の気持ちに警察が寄り添っていない
  窓ガラスを割られても。事件性ないとか、被害者側のやらせとさえ疑った。
・行方不明の届けが出されたが、ストーカー対応の部署との連係がないまま。
  失踪から、ストーカー宅への家宅捜索まで4ヶ月も経過した。

 これらだけでも、警察の対応の不十分さは、もはや言い逃れが難しいでしょう。ですが、この様な問題点は、ストーカー殺人事件が起きるたびに言われた来ました。つまり、根本的な問題への対応は何も成されていないのです。 
 従って、どうしても今すぐにやらなくてはならないのが警察組織と体制の改革、そしてもう一つが以前から提案してきた、犯罪予防警察の創設です。
 警察庁は警察のトップだといいながら、要するに単なる官僚組織、それもいわゆるキャリア組の霞ヶ関官庁にすぎないのです。したがって、実働部隊は、各県毎に別れた県警組織が担うわけです。ちなみに警視庁は、名前が違うだけで、東京都警察という事です。これらの各県警のトップは、各県の知事です。しかし、警察の不祥事で、知事が出てきて会見をしたことがあったでしょうか。せいぜい、県警のトップである県警本部長でしょう。今回のとうなストーカー殺人においては。川崎の担当した警察署長だけではなく、神奈川県の県警本部長、神奈川県知事が、出てきて説明すべきが本来の筋です。

 日本のあらゆる組織、とりわけ官僚組織にはびこる縄張り意識は、どれだけ多くの弊害を生んでいることでしょうか。横のつながりは取りませんが、上にはからきし弱く逆らいません。ですから、地元の県警により、知事や地方議員などが摘発されることがほとんど無いのもうなずけますね。今の完全に縦割りになったままの各県毎の警察組織は、広域事件に対応出来ない時代遅れなだけではなく、犯罪捜査力でも警視庁と大きく差が開いているわけです。

 もう一つの改革が、犯罪予防警察の創設です。とにかく時間にならないと警察は動かないと昔から言われてきました。その為多くのストーカ被害が発生し、ようやくストーカー犯罪への対応がはじまりました。しかしながら、今回のように殺人にまで及ぶような事件が発生するたびに警察の対応の悪さが指摘されます。まだ、警察組織全体の意識のうえでも、体制の上でも不十分なのです。ですから、犯罪を予防することを目的とした警察組織は、今のような社会においては、是非とも不可欠なわけです。既存の警察が対応できなければ、別の組織を作るべきです。その詳細については、改革案として別に取り上げることにします。

 いずれにせよ、今回の犯人が一日も早く逮捕されることを祈ると共に、被害に遭われた女性のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

令和7年5月3日(土)

2025年05月03日|分類:政治, 社会