経年劣化が目立つ日本の組織

JAはその代表か?

 JA農協といえば何かとお騒がせの組織ですが、その実態は一部の人にしか知られていないようです。私もJAが市町村毎にある組織だとは知りませんでした。
 農業協同組合(農協、JA)は市区町村単位で存在する団体であり、それとは別に、全国農業協同組合中央会(JA全中)があります。さらに都道府県単位で「JA中央会」と呼ぶ組織があり、JA全中とJA間の調整業務を担当しているそうです。何か、警察庁と各県警そしてその下に各警察署がある警察組織に似ているかもしれませんね。日本は、こういう組織の関係を作るのが好きなのでしょうね。

 別に組織体制の話をしようと言うわけではありません。JA全中がつくって、全国のJAに提供していた新業務システムが、1年で停止されたというニュースです。使用料金が高い上に、使い物にならないと次々に使用をやめるJAが出て、ついに廃止に追い込まれたわけです。
 JA全中のシステムを使うかどうかは、JA中央会の選択に依るというのですが、このJA中央会も、県独自のシステムを開発してJAに提供しているのです。なにか、きな臭い話ですけど、JAと政治家との結びつきは、さらにきな臭いようですね。
 更迭された前の農水大臣が、何故備蓄米の随意契約による放出をしなかったのかといえば、彼も農水族議員であったが故に、関係者の顔色をうかがったのだろうとも言われています。

 そもそも今回の米騒動も、その原因のかなりの部分は、JA組織に有るとも指摘されています。たしかに、昔は零細な農家を保護する役目を果たしていたのでしょうが、いつの間にか巨大化して、わけのわからない組織になったようです。


 しかし組織や企業で様々な問題が噴出しているのは、言い方を変えれば金属疲労と同じで、組織の経年劣化なのではないでしょうか。つたない経験に依れば、どんな素晴らしい企業組織も、そのままで持つのは10年が限度だと思うのです。

 ここ30年以上の劣化は、何もしないでとにかく昨日と同じ事をやり続けてきた日本のあらゆる組織や集団に、経年劣化を生じさせているのです。まさにゆでガエルなのですが、まだぬるま湯からでようとしません。役所や弁護士から警察、裁判所、大学、病院に至るまで、不祥事が後を絶ちません。変わらない組織は必ず内部から腐るのです。メディアだけでなく、霞ヶ関も政界も全く同じです。いいえ、あなたご自身もです。
 ゆでガエルのイラストを見ながら、よくよく考えて見てください。

令和7年5月23日(金)

2025年05月23日|分類:政治, 社会, 経済