爆弾製造学生を自衛隊で採用せよ

 高性能爆薬「過酸化アセトン(TATP)」製造などで逮捕された名古屋市の男子学生(19歳)。科学オタクで、取り調べにおいても、科学のことについては嬉々として話すという。

 TATP以外に「四硝酸エリスリトール(ETN)」を自宅で製造していたが、日本語での情報はほとんど無く、専門家でも爆発事故を起こすと驚いているという。

 この若者は爆発物に興味がある科学オタクだが、これまでにも、サイバーでのハッキングをしていたネットオタクなど、いわゆる特定の技術に強い関心を持ち、知識もそれなりに持つ人材は、探せば意外と多いのだろう。問題は、こういう特殊な領域にのみ興味を持つ人材を、社会における有益な人材として活躍の場を与えない日本社会の度量の狭さである。アメリカでは、いわゆる犯罪を犯したハッカーでも優秀な人材は、国防やFBIなどで採用してむしろ役立つ人材、ホワイトハッカーに育てている。

 現在、日本でこのような科学知識やネット知識を専門的に活かせる場はほとんど無いだろう。学者の世界では、研究はしても実際に扱う事が少ない。したがって、彼らの興味を満たしかつ社会に役立つ方向にむけるには、自衛隊を積極的に活用すべきであろう。

 現在の自衛隊の人材採用がどうなっているのか、残念ながらよく知らない。軍事ジャーナリストなる人達も、このあたりへの言及はほとんどしない。これでは、戦前の人材軽視と変わらなくなってしまう。特に気になるのが、幹部候補生を防衛大学校にばかり求めている点である。確かに身体的に問題が無く、文武両道が望ましいに決まっている。だが、人間の才能はとかく偏っている物である。体力が劣るからと、科学知識やサイバー知識に優れた人材を登用しないとしたら、それは国としての損失でもある。

 アメリカでは、無人飛行機の操縦に、ゲーマーを採用しているという。日本ではどうなのだろうか。サイバー部隊でも、現在の自衛隊の人材の中からだけでは、とうてい世界に勝てるサイバー部隊にはなり得ないだろう。なぜなら、経験からしても、ネットに強いプログラマーなどのほとんどが、技術以外には興味を持たない人材だからである。

 サリンを民間の宗教団体で製造などあり得ないと思われていたが、日本では簡単に実現してしまった。この時も、自衛隊以外にはサリンの実践的知識はほとんど存在していなかった。

 馬鹿げた軍事軽視の風潮だけではなく、自衛隊側にも、柔軟で幅広い人材確保の道を平井とほしいと思う。大学などの研究に自衛隊が資金提供する政策ですら、今年は申請が減少したという。こういうしきんを、寄り積極的な形で活用する事を考える時なのだ。自衛隊の学校は、防衛大学校等だけではなく、もっと幅広く特殊な領域を扱う大学を持つべきだと考える。
平成30年(2018)9月01日

2018年09月01日