拉致被害者を見捨てたのはあなただ!

 拉致被害者を見捨てたのはあなただ! 力なき国家の惨めさを自覚すべきだ。

 北朝鮮が、捕らえているアメリカ人の釈放に、元アメリカ大統領の訪朝を要求しているという。アメリカより、はるかの多数の日本人が、それも北朝鮮国内ではなく、日本から拉致されたのである。にもかかわらず、全く交渉の相手にもされないのが、いまの日本のおかれた現実である。

 拉致被害者の家族がいくら血の叫びを発しようとも、拉致被害者を見捨てているのは一部の政治家と官僚だけではない。日本人が、同胞を見捨てている現実をもっと自覚すべきなのである。今の日本では、武力行使も出来なければ、拉致された人間を救いに行くことも出来ない。すべて訳のわからない憲法や法律がそれを許さないのだ。そして、それを認めているのが日本国民そのものなのである。また、現実に力で取り返そうにも、そのような種々の力も無い。外務官僚のことなかれだけではなく、実力を行使する力など無いのである。ましてや相手がすでに核を持ってしまった今では。


 平和を維持するのに今の体制(憲法や法律そして自衛隊・インテリジェンス)維持が重要だという日本人は、そのまま、その裏で、だから拉致被害者やとらわれた日本人は犠牲になっても仕方が無いと認めているのである。この歴然とした事実をあまりにも多くの日本人が忘れているのか、無知で知らないのか、特定の政治勢力やメディアにだまされているのか、そのすべてなのだろう。


 そして、アメリカをはじめ人権を叫ぶ欧米諸国も、自国民を救うためなら裏取引でも何でもする。人権などくそ食らえなのである。だが、日本人がいくら拉致されていようとも、知ったことでは無いのだ。むしろ日本批判に血道を上げている。この裏には、日本がかってのように軍事的に強国となるのを望まない勢力の活動がある事も知られている。

 日本人は、事が起きないと目が覚めないといわれる。それでは遅いのである。ミサイルが来る前に最低限の真の防衛力整備をすると共に、その力(国力は経済力と軍事力が主)による交渉が出来る国になる必要がある。いますぐに。そうでなければ、いずれ拉致被害者を見捨てた日本人の多くが、今度は我がこととして認識する事態が起きてしまうかも知れない。それからでは遅いのだ。


 『あなたが、拉致被害者を見捨ててよい』という判断を行っている自覚を持つべきだろう。あなたは、同じ日本人を見捨てているのだという事実を。口先では助けろと言いながら、助けるあらゆる道具や手段を取り上げているのだから。

 中国でも12名もが拘束されているが、日本政府が積極的な交渉をしないのは現地では有名だという。ここにも、同胞を平気で見捨てる日本人が、大きな顔をしている現実がある。現実を知らなさすぎる無知さとは、それ自体が罪であろう。

平成29年6月25日(日)

2017年06月25日