台風15号による被害は人災か
8日から9日の台風で、9日から停電している千葉県。13日でも未だ18万戸もの停電が続いている。そこに断水と暑さが加わり、3人が熱中症で死亡した。とちかく、相変わらずの後手後手と対応不備。
東京電力はしばらく経ってからようやく見通しが甘いと認めた。この会社はあの原発ですら懲りていないのか。リスク管理がいまだ出来ていない。
さまざまな問題が数多くあるのだが、今回目立ったのが、情報収集の不備、不手際である。そもそも国も自治体も、被害状況を把握するのに東京電力からの情報を待っているだけ。これではどうにもならない。このところ災害発生時には、SNSでいろいろな情報が寄せられると、マスコミを始め自治体も思い込んでいたのではないか?
今回は、固定電話に加えて携帯も全滅して通じないのだから、SNSなど使えるわけがない。広範囲な停電が、断水や通信障害を生み、複合的な災害になってしまった。
今回の台風は確かに関東に上陸した台風としては最大級だったのだが、割合早く通り過ぎた。にもかかわらず、大きな被害が出たのは、強風のためである。この頃は大雨被害が多いので、風に対する認識がまるで出来ていなかった。想定外というが、もうこの言葉も聞き飽きた。単にリスク想定が甘いだけだろうに。
NHKを始めとするTV報道もひどかった。千葉以外でも大きな被害が出ているのにもかかわらず、全く報道などされなかった。伊豆諸島の被害などでも、NHKが遅ればせながら空から取材したぐらい。要は、マスコミは、どこからかの情報がくるのを待っているだけなのだと言うことがよくわかった。正体が露見したとさえ言えよう。
一部の有名人で被災地に関係する人達が、被害報道が全くされていないという怒りのSNSを発信して、ようやくマスコミも慌てだしたのが今回の成り行き。
あまりにも、問題山積。だが、防災省と情報省をつくり、情報受信TV(端末)を普及させていれば、ここまでひどくは無かったはず。提言がいつも、後から正しいと証明されてしまうのも、やりきれないものがある。
内閣改造は確かに重要な事柄だが、その大臣達が、くだらないパフォーマンスばかり繰り広げ、それを追いかけるだけのマスコミは、もはや公器としての役割は果たせないのだろう。特にNHKなど、あわてて、千葉の情報を流し始めたが、被災者にとって必要なのは、自分たちの地域の情報である。長々と垂れ流されてもどうにもならない。なにより、電気が無くてどうやってその情報を捕まえろというのだろうか。結局は、「やりました」のアリバイ作りにしか見えない。
令和元年9月13日