情報無発信が生む弊害:日本人馬鹿化戦略に加担する人達
ブログ「ランサムウェア増加と個人情報保護規制の皮肉な関係」の最後で、自分宛の宿題を出しました。このような話題がテレビなどで視聴率が上がらないのは、日本人が馬鹿になったからだという話をすることでした。
少し刺激的なタイトルですが、決して大げさな陰謀論などのたぐいではありません。
ITや科学に絡む真面目な話を、テレビなどの大手マスコミはほとんど取り上げません。それは視聴率が上がらないからだと言われますが、それ以外にも、そもそもこの業界で働く関係者が、こういう問題を認識したり、理解したりする能力が欠落しているのはないでしょうか。むろん、すべてに人がそうだとは言いませんが、かなり長い間こういう状態が続けば、組織全体の知的能力が低下するのは至極当然のことです。
ここで申し上げたいのは、そのような状況が日本のあらゆるところに蔓延しており、日本全体の知的水準が相当に低下しているのではないかと危惧していることです。そのいくつかをみてみましょう。
じつに数多くの情報無発信と受け手の無関心が存在しています。
オールドメディアと呼ばれるリベラル派の報道機関が、報道内容を選択して、自分たちに不都合なニュースなどを伝えようとしないいわゆる「伝えない自由」が、ネットなどではよく話題になります。この伝えない自由という名の偏向報道が、結果として国民への情報操作の一つになっているのです。
メディアだけではなく、国や自治体も正しい情報を流さないことにより余計な騒ぎが起きないようにします。ですがそれが逆に、社会の混乱を引き起こ須子ともあります。コロナ騒動の初期はまさにこれでしょう。
せっかくの成果を成果を正しく発表しないために、無能の烙印を押される政治家もいます。安倍総理は、発言の一部だけを切りとったり、つなげたりする情報操作に嫌気がさしてしまったのか、自ら積極的な成果を発信しませんでした。それを、さらに反対勢力に利用されてしまいました。
現状を伝えないことによる認識の甘さが生まれているのが、日本の情報関連やIT関連の事柄です。起きている深刻な問題を正しく伝えないために、国民や経営者は事態の深刻さに気がつかないのです。サイバーセキュリティなどが一向に改善されないのは、このことが一つの理由でしょう。
伝えないことで興味を失い、それがさらに関心を薄れさせ、その分野での知識や技術が日本全体で劣化していくわけです。大学生の理工系離れが問題となっていますが、ここでも日ごろから科学にかかわる話題に接する機会が少ないことが原因の一つでしょう。
さらに加えるならば、外来崇拝で海外のニュースそれも海外を褒めるようなものばかりを流しています。いっぽうで、日本の正しい姿を伝えません。そのために日本はだめだとの意識がひろがり、せっかくの新しい技術までもが花開かないことになります。基礎研究が良いのに、それがビジネスにまで実を結ばない理由の一つもここにあるのでしょう。
このように情報を流さない、隠すということは、この国を劣化させ、衰退させているのです。戦後アメリカが日本を衰退させる手段として、自虐史観や日本はだめだ、間違っているのだという刷り込みを強力に行ってきました。日本人の気質の一部とも合って、それが多大な効果をあげたことは、よく知られるようになりました。
日本の正しい情報を伝えないと言うことは、まさにこれと同じことなのです。日本人の多くが、無意識のうちに日本人を馬鹿(無知、無能)にする政策に加担しているのです。
訳のわからない陰謀論に加担する必要はありません。ですが、単なる夢物語ではすまないものがあることを、認識すべきなのです。
情報を隠蔽、規制する。それが独裁政治の民衆統治の第一歩です。それは今の香港を見ればいやというほど理解できるはずです。日本では恐ろしいことに、メディアをはじめとした組織の多くがそれを行っているのです。国民はこのことを自覚して、様々な事柄に興味を持ちましょう。興味をもてば、理解しようと頭を働かせます。赤ちゃんは、興味を持つことで、言葉も知識も獲得していくのです。
幸い、今はネットで様々な情報にアクセスできる環境があるのですから。あ、情報の真偽確認も忘れずに。
令和2年9月11日(金)