創業130年で日曜日を休業するスーパー
関東中心の食品スーパー「ヤオコー」が創業130年で、初めて日曜日の休業を行う。従業員の体と心を休めてもらい来週からまた頑張る、と社長からの挨拶にある。新型コロナウイルスは、多くの人々を大変な目に遭わせているが、スーパーなど日用品を扱う店は感染防止策などで、とりわけ大変な苦労をしている。
良いことだと思う。家畜ではない、ロボットでもない、生身の人間が働いているのである。休むことは、絶対に必要不可欠なことである。
それにしても、いつから24時間のコンビニとか、年中無休のスーパーが当たり前になってしまったのだろうか。消費者の利便性と言えば聞こえは良いのだが、結局、労働者という人間をこき使うことで、利益を上げようとしたのが大元であろう。
高度成長期でも必要がなかったものが、長期のデフレ社会で必要とされるはずがない、のである。だが、誰もそれを口に出して言わない。私が言おう。日本人のおとなしく辛抱強い国民性にあぐらをかいて、多くの経営者が、利益を上げるための過剰なサービス競争や人件費削減を行ってきたのは、偽らざる事実であろう。
コロナで利用者が減って、JRは来年から最終列車の時刻を早めると発表。コロナ前まで、公共機関の24時間運転が、観光誘致に必須と騒いでいたのは、どうなったのか。あまりにも、身勝手といえよう。
低賃金と過剰な競争をやめることこそ、日本がデフレから脱却する経済策である。安倍総理も理解できていても、実行させる政策がなかった。次の総理大臣が誰になろうとも、この本質を見極めた経済政策がとられない限り、世界の先進国の中で日本の一人負け状態は、果てしなく続くであろう。
政策を聞いている限り、とても期待できないのだが、まだ諦めるのはやめよう。始まってもいないのだから。
令和2年9月12日(土)