ネット上のコメントが国民の質の尺度に

 アマゾンのレビューでのやらせ横行があまりにひどくなり、もはやレビユーそのものの信用性が大きく低下してしまいました。ただ最近本をむやみに買うのではなく、まずは評価の低いコメントを読んでから、購入を決めています。当然、低評価の理由が納得できるものなのか、本の中身が読みたい内容なのか、が基準ですが。

 ネット時代になったばかりの頃は、まだ性善説的なネット社会だったのですが、一般に普及するにしたがい、想像もしなかった悪用方法が数多く出てきました。嘘のレビューや、やらせのレビューなどもその一つです。それも金銭を使った大量書き込みを中国などの企業がやるようになり、もはや何を信じて良いのかわからなくなりました。結局、ネット以前に戻り、自分の目で直接確かめる購買に戻るのかもしれません。その意味では、すべての小売りがネットに取って代わられるというよりも、両者を組み合わせた最適値が、商品ごとに求められるのかもしれません。それをうまく消費者に提供できたところが、店の信用もあがり、商売としても成立していくのでしょう。


 レビューは買い物をする商品に関してばかりではありません。ネット上の様々な情報そのものにも、コメントがつけられる時代になっています。そして、そのコメントを読むと日本人の民度というか知性の程度がうかがえるように思えます。残念ながら、SNSなどで書き込まれる多くのコメントは、反対のための反対や批判のため、特定の思想や政治信条に基づくものが大半です。しかも、特定の勢力による心証操作や洗脳が当たり前になってしまいました。つまり、ネットもこれまでのメディア同様にすでに歪んでしまったのです。

 それでもなお、個人的には、気になったニュースなどへのコメント眺めるようにしています。そうすると、以外に日本人はよく見ているな、わかっているなと思うことがあり、そういうコメントに接すると日本もまだ捨てたものではないかなと、ほっとするのです。


 たまたま目についた例を載せてみます。コロナの変異種が世界各地に拡大していることを受けて、菅政権は、「外国人の新規入国を全世界から停止する」政策を発表しました。これに賛成する意見や評価する意見も見られるのですが、そればかりではありません。といって、反対しているのでもありません。
 この政策そのもののうさんくささを疑っているのです。国民がうるさいから、ポーズをとっただけとの指摘や、なぜ『新規入国』と言っているのか、などの指摘があがっています。

 その通りでしょう。実際、すべての外国人の入国を禁止するのでは全くないのです。過去に許可した人、つまりはビジネスマンや11カ国からの入国はこれまで通りなのです。指摘の通り、「新規」入国者なのです。まちがいなく、誤解することを狙った文言でしょう。日本在住外国人の入国、再入国は禁止されていないのですから。

 このように、単純にニュースのタイトルだけで踊らされるのではなく、もう少しよく考えてみる。こういう姿勢が、当たり前になりつつあるとしたなら、ネット社会もまだ捨てたものではないでしょう。

 もはや、思想統制、思考操作、洗脳の有力な道具となってしまったネットです。これからの技術の進歩が、この歪みをどこまでただせるのか、期待と疑問を持ちながらもう少し様子を見ることにしましょう。

令和2年12月27日(日)

 

2020年12月27日|ブログのカテゴリー:shakai