インフラネットワーク安全保障を真剣に考えるとき

 今朝未明に起きた北海道の大地震。被害に遭われた方々には、心からお見舞いを申し上げます。
 夜中に何となく地震みたいだからTVをつけようかと思いつつ、たいした揺れでないからとそのまま眠りに落ちたのだが、朝、びっくり仰天した。ここまでの大地震が、また起きようとは。

 災害列島の日本の宿命とは言え、このところ自然災害が立て続けに起きている。それも、想定を越えた規模や内容が多い。今回の北海道地震でも、最大の火力発電所の3基が同時にそれも瞬時に停止してしまうことなど、全くの想定外。それによって、道全域が停電してしまうなど、考えもしない事。

 繰り返しブログ等でも取り上げてきたように、自然の力の前には、人間の作るモノや科学力など無力なのだと自覚すべきなのだが、どうしても、人間の技術を過信してしまう。それをあざ笑うかのように、毎回自然はその偉大な力を見せつける。まず、とにかく自然への畏敬の念を日本人全体が取り戻すべきだろう。そこからすべての事が始まる。


 台風で水没した関西空港でも、言いたいことは山ほどあるのだが、今すぐ国が取り組むべきことがある。それは、生存の維持、社会の維持に最低限必要となった社会インフラについての安全保障政策の確立である。ここにおいては、競争原理ではなく規制によってでも、具体策の早急な実施が求められる。

 ネットワーク化された現在の社会。本来、インターネットの本質は、どこか一部がだめになっても、全体に影響を及ぼさないように考えられた所にある。しかし、日本のインフラを見ていると最近特に目立つのが、一部のダウンで広域に影響が広がる事態である。ネットワーク化が進みながら、逆に非常にもろくなってしまっている。これは、インフラのネットワーク全体のリスク管理が成されていない証拠に他成らない。個別の機材だけいくら二重化しても、全体への悪影響を及ぼさない仕組みが導入されていなくては、もはや意味が無いのだ。


 電気、水道、鉄道、河川、通信、物流(道路)等々、ネットワークとして考え無ければならないインフラは数多くある。このネットワーク全体のリスク管理を考える組織が必要であり、本来は中央官庁がそれを担っているはずだが、まったく機能していない。まず、ここからだ。そのためには、防災省と通信省を創設して、国全体のインフラネット安全保障を考えさせるべきだろう。むろん、自衛隊内にも関連部隊が欲しいが、なかなか手が回らないだろう。  具体策や詳細は、すでに烈風飛檄でも触れているが、これからも追加していきたいと思う。


 それにしても、もうたいして智恵も何もない馬鹿MC、評論家、専門家のくだらない話、公の発表を無視してNHK調べを連呼するなどNHKの傲慢な報道姿勢、本当にうんざりである。今回の地震報道でTV離れがさらに進むと予言しておこう。

平成30年(2018)9月6日(木)

2018年09月06日