「天才」と「あの日」 電子書籍、レビューなどなど

 「天才」 石原慎太郎 幻冬舎 書籍\1512 電子書籍\1210(or \1209)
 「あの日」小保方晴子 講談社 書籍\1512 電子書籍\1512(出版社設定金額だそうだ)

 書籍のランキングで一位と二位。A通販では、この二つをセットにリコメンド。通販により「天才」は販売休止中つまり品切れなのだ。出版社もまさかこんなに売れるとは思わなかったのかな!「あの日」も通販によっては入荷次第発送の売れ行き。そもそも、片方など紙の書籍はまだ発売日前なのだぞ。

 人の作品など宣伝したくないのだが、なにしろブログのネタの宝庫。触れざるを得ない!


A社通販開始時からの古い購買者なのだが、最近はあまり買わなくなっていた。色々理由はあるのだが、いくら買ってもちっともポイントがつかないし、何より本が高くなりすぎている。出版不況を言われて久しい。そのため有名人やスキャンダラスなものを扱う出版社も増えている。やむを得ないとはいえ、悪貨は良貨を駆逐するのは、本も例外ではあるまい。その意味で心配もしているのだが。良質の本や専門書が、必ずどこかで読めるような仕組みが、これからは大切になるだろう。国会図書館だけでは無く、ネットや各県に集中図書館とか。これも教育改革のひとつだ。


国内の書籍通販においては、外資のA社ともはや遜色が無いばかりか、ポイントなどでは国内企業が勝っている。後は品揃えとユーザインターフェースなのだろう。またAも雑誌などは品切れも多く、専門通販を利用することもある。が、ここは手数料等高すぎなのだが。いずれにせよ、これからのネット通販と店舗販売の新しい形も模索され始めている。これまでに無いアイデアが生まれることを期待しよう。


電子書籍が高すぎだろう!!!売れそうな物は、ここぞとばかりに値をつり上げる。これでは、電子書籍の将来も暗いだろうな。電子書籍はコストがかからないから安く出来るのが売りのはずなのに、これはひどいだろう。300円だからダウンロードするので、これでは買う気になれないし、もし買うなら紙の本を買いたくなる。同じ内容なら、読み飛ばし、斜め読み、拾い読みなど、紙の書籍のほうが格段に扱いやすい。もっとネットならではの電子書籍は出てこないのだろうか?リンクや注釈などの利点が生かされていないように思える。紙では大量の図表などは入れずらかったが、電子書籍なら簡単なのに。


「天才」は、田中角栄について批判の急先鋒だった石原慎太郎が、角栄を評価する形で書いた伝記的小説?である。作者の立ち位置は、一般にもよく知られているので、嫌いな人は最初から買わないのだろう。まだ少ないレビューでも高評価ばかりである。ただし、評価得点は高いが、その内容については陳腐だとのコメントも結構ある。なのになぜ高評価なのか。作者が言いたいことは、結局アメリカ陰謀説的な内容であり、読者の側もそれを理解し、また少なからず同意しているからであろう。詳しいことはまた別に書こう。


「あの日」も、これまた話題に事欠かない本である。言うまでも無く、STAP細胞で騒がせた彼女の独白記?である。これまた上司による陰謀にはめられたという陰謀論を展開しながら、実名で関係者やメディアを攻撃しているらしい。読んではいないのだが、すでにたくさんのレビューが寄せられているその内容がおもしろい。「天才」と違い見事に評価が二分しており、真ん中が無い。しかも独断で言えば、このふたつは明らかに同じ層、勢力から成るように見える。加熱した小保方たたきに荷担や賛同していた多くの科学者・学者達は、当然のように極端に悪い評価をしている。それに対して一般の人は、陰謀説を信じていなくても、評価は高い。

 ここに現代社会の世界的な傾向が見て取れる。(大げさか!)イスラム過激派でも、アメリカ大統領選挙でも、そして日本の若者も、より過激な言動に魅力を感じているかのようである。それは、いまの人類社会が抱えるさまざまな問題に既存の政治や体制が適切に対応出来ていない事へのいらだちや、疎外感、理想を求める気持ち、等々を強く持つ人々(特に若者)と、すでにそれなりの既得権者に成っている人々との対立の構図にも見える。この対立は、出来るだけ早く解消していかないと、いずれ抜き差しが成らなくなるだろう。

 いま時代には、新たなる創造のための破壊が求められているのだ。それにしても、いまの私にはやっぱ本は高い。

平成28年2月2日(火)

2016年02月02日