国益より自己中優先のSHARP経営陣?
SHARPが、経営再建の支援先として、政府系ファンド産業革新機構ではなく、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業をえらび、事実上買収されることになった。日本の技術が海外流出するのを防ぐために、産業革新機構が支援を名乗ったにもかかわらず、その倍額以上の支援額を提示した台湾の私企業を選んだ経営陣。
台湾企業と甘く見ているのだろうが、いまの台湾はそのまま中国企業であり、SHARP経営陣は、自分たちの保身のために日本の技術を自ら、中国に売り飛ばしたことになる。国益よりも自分たちの利益を優先して恥じることが無いのが、集団農耕型気質の人達である。その意味では、こういう経営陣では、産業革新機構の支援でも経営再建は難しかったであろうから、致し方が無いのかもしれない。
だが、日本の技術が流出して痛い目に遭ったのは一度や2度では無いのに、なぜ日本の経営者の多くはその事実に眼をつぶるのだろうか? 結局、会社存続のため、従業員のためと良いながら、自分たちの保身、利益しか考えていないのだろう。「日本人の気質」でしつこく警告した、国益より組織(自己)利益優先がまた出てきてしまったようである。松下幸之助は社会に貢献できない企業は存続させるべきでは無いといった。企業存続を理由に挙げる経営者は、すべて自己中の経営者だと見なせよう。
むろん、これからどのような技術流出防止策をとるのか、見てみないとわからないが、国も真剣に対応策をとるべき時であろう。別の新会社を設立して、キーとなる技術者をすべてそこに移すぐらいの事はやるべきであろう。それとも、もはやSHARPに守るべき新技術など無いのか?なら、6000億とも言われる支援などしないだろう。
とにかく、日本の経営者は考えが甘い。それは40年のサラリーマン生活で痛切に感じた体験でもある。
日本の産業構造の大転換期にすでに入っている事を自覚できない企業は、早晩いなくなるであろうが、どうなることか。
平成28年2月4日(木)