未成年者誘拐・監禁を死刑に

 海外では時々あるが、日本には無関係と思われていた子供や女性を誘拐して監禁する犯罪が、日本でも目につくようになってきた。今回中学生が無事保護された、埼玉の女児誘拐監禁。2年というとてつもなく長い時間であったが、本人がよくあきらめずにいて、逃げ出してくれて、本当に良かったと思う。
 まず第一に、マスコミは、家族に近寄るなと云いたい。プライバシーからでは無く、さらなる被害がこれ以上子供におよばないようにするためである。中学生にとって、いまは周囲が騒がないコトこそ最も必要な事である。

 それはさておき、千葉大学工学部に通う(この春、後6日で卒業)この高学歴の犯人。あらかじめ狙いをつけた女児の氏名を調べていたり、自動車のプレートを用意したりと、完全犯罪気取りの悪質きわまりない犯行である。これでは、正直警察がこのまま犯人にたどりつけていたか、はなはだ疑問である。

 最近は、証拠をのこさず、逮捕された途中から否認に転ずる犯罪者も多い。より悪賢く、薄汚くなってきているのだろう。そのような状況ともてらしてみて、今回のような未成年者誘拐・監禁の犯罪は、より重い死刑にすべきである。身代金誘拐を前提とした現行の誘拐や監禁はあまりにも刑が軽すぎる。

 こういうことを言うと必ず出てくるのが、厳罰化は犯罪の抑止には成らないという意見。何でも十派一絡げにして、都合の良いところだけ取り上げるこの種の論議には辟易である。今回のように、女児や女性を自分の奴隷として監禁しようとする犯罪者は、基本的に臆病であり、弱い相手にしか向かうことが出来ないゆがんだ性格の持ち主である事が多い。今回の経緯からもその事がよくわかる。

 用意周到に計画して誘拐し、精神的に逃れられないように監禁してしまう。そのくせ、逃げられたとわかっただけで、慌てふためいて逃げ出し、挙げ句の果ては、捕まるよりは死を選ぼうとする弱い性格がみえる。その自殺すらまともに実行できず、助けを求めてしまう。このような、弱者の相手には傲慢に、強者や力には簡単に屈してしまうような性格の犯人には、捕まれば死刑という厳罰化は、明らかに犯罪抑止力となるのである。同時に、心理的監禁罪を新設すべきであろう。

 未成年者誘拐で最高7年とか、軽すぎるだろうが。子供や女性の人権を訴えるのなら、こういうゆがんだ、あるいは時代遅れの刑法を、即時変える運動をすべきであろう。いますぐ、我々に出来る事はこれである。

平成28年3月29日(火)

2016年03月29日