北朝鮮 次は核弾頭装備ミサイルの実験をやるはず

 北朝鮮をここまでのさばらせた責任は、アメリカと中国にあるのは明らかなのだが、国際政治や国連と云われる場における関心が、所詮は欧米の持つ関心に偏っているという現実があるのだろう。

 イランやイラクが核開発に進めば、軍事力を含めた実力行使まで行うアメリカは、北朝鮮に対してはなぜか実力行使を伴わない口先攻撃ばかりだった。まるで白人のアジア蔑視の姿を見るかのようであるとは、言い過ぎなのだろうか?中国、インド、パキスタン、北朝鮮とアジアの国々は次々と核を持った。

 それはさておき、専門家がようやく指摘しだした北朝鮮の歩み(戦略)をテレビなどの一般メディアも伝えるようになってきた。指摘するのも伝えるのも遅すぎるが。だが次に北朝鮮が何をやるのかについては、相変わらず口を閉ざしたまま。いや、軍事を理解出来ないから、全くわかっていないのかも知れないが。

 北朝鮮の核やミサイルに対する認識は、国際社会において常に過小評価されてきた。アメリカの認識がここまではずれているのは、わざとなのか、人種差別の無意識なのか、中国への気遣いなのか、他に理由があるのかよくわからない。こういう本質をしらべもしない日本のジャーナリズムや専門家とは、一体何なのだろうか?一刻も早く、国民放送局をたちあげて、せめてそこにはまともなジャーナリスト、専門家を育てる空気を持って欲しいものだ。またまた横道にそれた。


 過小評価されてきた北朝鮮が、このところそれならばと、自分たちの力を誇示するやり方にあらためてきた。これまでの、見かけ倒しの核やミサイルでは無く、実力を伴ったものだと認識させようという意図が見える。実際、だからこそアメリカや周辺国の見方も変わり、今騒ぎ出しているのだ。

 軍事的な抑止力においては、情報は隠すのが普通なのだが、過小評価されては抑止力にならないので、逆に力を見せることになる。ここまでそれを続けた北朝鮮が、いきなり方向転換をするとは考えずらい。アメリカが裏で動けば別だろうが。とするならば、核とミサイル別々の実験の次は、合わせた実験以外の何者でもあるまい。

 具体的には、核弾頭を装着した弾道ミサイルの発射という事になる。可能性としては、今ではどこもやらない大気圏外での核実験という事になるのだろう。潜水艦発射のSLBMが実戦配備されるには、それ以外の戦力が整備されない限り無理だと軍事アナリストはいうが、そんな事はいまさして関係がない。


 核の恐ろしさは、それを使った全面戦争の準備にあるのでは無く、ミサイルに乗せて撃てる力を一発でも持てば、それだけでミサイルの射程に入る(日本は完全に入っている)地域は、いつでも核被害の対象となる事実である。後先を考えずに、韓国や日本に向かって地上配備の核弾道ミサイルを撃たれたら、とてつもない被害が出るのだ。


 安全保障とは、防災などでもそうであるが、常に最悪を考える事にある。現実にさして機能などしていないミサイル迎撃システムなる神話を作って、国民をだますのはいい加減にしろと云いたい。自然災害でも、一体どれだけの無能な自治体が、被害を拡大させたか。いっぽうで、きちんと対応した自治体では人的被害を食い止めている例もある。ようは、まともな指導者と政治が正しく機能するかどうかである。

 もはや、「憲法改正をしないとそういうまともな防衛も整備できない」などと云ってる時期は終わったはずである。馬鹿げた自らを縛る制約を今すぐに解いて、まともな防衛体制をつくる時である。もう時間はあまりないだろう。核に対して核を持てというのでは無い。そうでなくても、いくらでも抑止力のための軍事態勢は構築できる。やる気とまともな知識があれば。

平成28年9月11日(日)

2016年09月11日