地方の厳しさか たまたまなのか

 ニュース抜粋『11日午後11時45分ごろ、新潟県村上市長政の三幸製菓荒川工場内の建物で火災が発生していると消防に通報があった。県警によると、この火災で60代~70代のアルバイト清掃員4人の死亡が確認され、ほかに身元不明の1人の遺体も見つかった。同社従業員の男性2人と連絡がとれていないという。』

 金曜日の午後11時45分に火災発生で、このとき30名ほどが工場で働いていたという。犠牲になった5名のうち4名が70代中心のシニア世代だというのにも驚いた。こんな夜中に働いている事が驚きだし、そのほとんどがシニア世代という事にも、今の日本社会の格差や劣化を考えさせられてしまう出来事だった。工場の通常の操業が終了したあとの清掃にしても、遅すぎる気がするのだが。もちろん、このときたまたまなのかもしれないが。

 地方の衰退のひどさは直接経験しないと、大都会にいてはなかなかわかりづらい。シャッター商店街と言われたのは遙か昔の事で、いまや、町内の人口が半分になった地域も珍しくはない。テレビ番組「ぽつんと一軒家」で、「昔は集落があったのだが..」という台詞がよくきこえてくるが、いまや山の中だけではないのだ。

 同じシニア世代でも、特殊詐欺の被害額が何千万円という人達と、年金だけでは食べていけない人達とではあまりにも格差が大きすぎる。この格差の原因のひとつが、厚生年金への加入の有無である。いいかえれば、社会保障制度の歪みとも言える。しかも、非正規や自営業として働く人がさらに拡大している現状を考えると、近い将来大変な事になるのは目に見えている。

 現在自分の生活に不自由していない政治家や官僚、さらには一部の既得権益者達が、社会の実験を握っている限り、この格差もまた解消されないだろう。そしてそれは、日本が完全に先進国から更新国になることを意味している。

 クーデターは望まないし、日本では歴史的にも成功例はない。経済再生の具体案は、日本改革私案や「一国二経済制度」で具体案を示してきた。どこかに、これを実行しようとするまともな政治家はいないものだろうか。

令和4年2月12日(土)

2022年02月12日|分類:政治, 社会, 経済