硬直した官僚思考は国を滅ぼす


 ロシアのウクライナ軍事侵攻において、いくつか国が兵器をウクライナに供与するなか、ドイツは武器の代わりにヘルメット5000個を提供して、日本をはじめとする各国の国民から失笑をかった。ドイツは日本と同様に武器の輸出を厳しく規制してきたことが理由のひとつである。

 そのドイツが、地対空ミサイルや対戦車ミサイルを1000発以上、ウクライナに供与する事にした。考え方を柔軟に変えたのだが、当然のことであろう。では、日本はどうだろうか?

 日本では、特にお役所仕事と言われるほどに官僚達は、国益を損ねようとも前例踏襲を崩そうとはしないことがほとんどである。臨機応変、柔軟な対応がおよそ出来ないのである。コロナ対応を見ていてもそれがよくわかる。むろん、政治家がそれを正せないのだから、どうしようもないのだが、官僚上がりや官僚任せの政治家が幅をきかせている限り、指導力は望めないのだろう。

 ひとたび深刻な危機が起きたとき、いま日本の硬直した指導者達で、その危機を乗り越えられるのであろうか。ウクライナ侵攻の陰で、中国は尖閣に領海侵入をしてきているし、北朝鮮は弾道ミサイルを発射している。日本もまた目の前に危機が迫っている可能性がある。柔軟な思考や行動を取れなければ、自滅しかねない。


 これからロシア制裁の影響で、エネルギー危機と食糧危機が一部で起きるだろう。脱炭素の一時的停止や原発再稼働なども、課題になる事は間違いが無い。言い出しっぺのEUは、すでに新規原発開発など原発稼働容認に動き出している。日本もまねしろというのではない。あらゆる事に、柔軟な対応をしろと言いたいのである。

 硬直した思考からは、前向きな行動は何も生まれてこないと、もう一度確認しよう。

令和4年2月27日(日)

 

2022年02月27日|分類:安保, 政治