文化を理解していない海外専門家

ウクライナのキエフにとどまり続けている日本人がいる。その人がこの頃日本のメディアに出演しているのだが、その発言がまともすぎて、日本から投げかけられる質問とかみ合わない場面が見受けられる。

最も典型的なのが、日本のメディア(オールドマスコミ中心)でかなり強調されている、負けがわかっているのだから、死者が少ないうちに早く降伏しろ、ゼネンスキー大統領の選択は被害拡大させている誤った判断だ。なぜ逃げないのか、命が一番大事だろうに。などという腐った質問にイライラして答えたのが、国を守ると言う気持ちを持つことの何がおかしいのだ、どこがいけないのかという至極まっとうな反応であった。

今日も、ロシアの専門家として非常に良く出演している人物が彼に質問した。毎週日曜日の教会への参拝は、行われているのですか、それとも出来ていないですか。この質問に半ばあきれ、半ばうんざりの表情で彼が答えた。ウクライナの人々は日本の仏教信仰と同じです。毎週教会に礼拝など行きません。日本で仏教徒といっても、特別な時にしかお寺に行かないのとおなじです。今はいっていませんと。
このロシアの専門家、ウクライナの専門家ではないのかもしれないが、要するにウクライナの文化を理解できていなかった為に、このようなとんちんかんな質問をしてしまったのだろう。本人は、答えの内容で、現状がどうのこうのというつもりだったのかもしれないが、恥をかいた。

このように、相手の文化をよく理解できていない専門家が日本にはおおすぎる。なぜそういえるかといえば、最近では、現地に長く暮らす日本人が、日本でのおかしな質問や誤った理解を指摘するコラムなどがみうけられるからである。

日本の海外専門家の質の悪さは、ほとほと手を焼くが、あまりにも相手の国や国民などの文化を理解できていない。いや無視してると言えるのだろう。この底の浅い理解度で専門家として通用してしまう日本。マスコミだけではなく、大学や研究機関などの質がいかに低いかがわかる。


もうひとつは、外務省の役人などでもよく言われている相手国のシンパである。日本では、その国の専門家、詳しい人物というのは、ほとんどその国のスパイか回し者としか思えない言動をしている事が多い。その理由としては、その方が仕事がもらえる、経済的な利金に関係している(利害関係がある)、相手の国から情報をもらうため、その方がマスコミ受けするから、金や女性で接待されたから、等々様々な理由があげられるだろう。
しかしそれに加えて、やはり集団農耕型の人間のくくりへの撞着があるとおもわれる。つまり、ある国の専門家というくくりに属しているということは、そのくくりには当然相手の国や人間も含まれてくる。そのため、そのくくりへの撞着が強くなると、自己同一化が働き、親しみを持つのが当然となってしまうのだ。

外国の日本人専門家が、必ずしも親日ではなく、アメリカの親日家や知日家が実は反日だったことが、後から何人も判明している。それにたいして、日本では中東の専門家は親中東派、ロシア専門家は親ロ派、中国通は親中派、韓国通は親韓派がほとんどである。さらに彼らの大半がなぜか反日という、海外では考えられない裏切り者になっている。戦後の歪みは、どこまでも大きいようだ。

専門家と述べてきたが、官僚や財界人だけでなく、政治家が同じなのだから、この国の未来は明るくない。

令和4年3月18日(金)

2022年03月18日