「軍備は悪」を破壊したプーチン
今回のロシアによるウクライナへの軍事侵略によって、お花畑と言われる日本でも、かなり現実的なものの見方が広まってきたようです。特に、核兵器を持った国が脅せば、アメリカでさえも手を出さないという冷徹な現実が暴露されたのは大きかったようです。それでも、いわゆる左翼系メディアや文化人・専門家さらに野党は、この現状を何とかしようと必死になって言論活動を行っているようです。
しかしながら、平和主義も外交もへったくれもなく、軍事力で侵攻して領土を奪い取ろうとする、そんな国が存在しているのは紛れもない事実なのです。憲法改正も当然のことなのですが、より身近なところでは、これまでの「平和ぼけ洗脳」をぬけだして、具体的な行動を起こすときでしょう。その典型的な例が、軍備に関することです。
アメリカは、ウクライナの要請を受けて、戦車をNATOの国から送る支援を開始しました。同時に、豪州でも輸送防護車を供与すると、要請からわずか一日で決定しました。一台約4600万円の防護車を数台届けるそうです。ヘルメット供与で先進諸国から失笑されたドイツも、最新の兵器を送り始めました。英米は対空ミサイルに加えて、最新兵器の供与も始めたそうです。
さて、日本はどうでしょうか?世界中から半ばあきらめられ、馬鹿にされていますから、誰も武器の供与など要請しません。ここでも、戦後日本社会に蔓延した「軍備は悪だ」という誤った考え方がその元にあります。自国を守るための軍備すら満足に持たないのですから、他国に供与できる武器など無いのは当然ですが。
この話、湾岸戦争時に金だけ出して人を出さなかった為に、世界中からいわれのない批判を受けた時と、似ていないでしょうか。
大型の武器は操作の訓練をしなくては扱えませんので、やむを得ないところがありますが、ドローンや携帯用武器は、簡単に使用できます。実際、対戦車ミサイル、対空ミサイル、無人ドローンなどがロシアの劣勢に関与しています。こういう武器でも供与できるものを何も持たない日本は、翻って、北海道が侵略されたとき、戦うだけの十分な武器を持っていないという事でもあります。
もういい加減で「軍備、兵器は悪」という誤った考え方を捨てるときです。これは、包丁は危険だと言っているのと同じなのです。武器そのものに善悪は原則としてありません。すべては使われ方次第なのです。ロシアもウクライナも、簡易なドローンを使用しています。片方は侵略のために、片方は防衛のために使っている違いしかありません。
わきみちにそれますが、この自爆型ドローンを「カミカゼドローン」と呼ぶそうです。でも、日本からの提供ではありません。
これから国際社会のあり方が大きく変化して、残念ながら小さな武力衝突が多発するようになるかもしれません。その時、日本はこれまで通り、武器を供与しない、出来ないままで済むのでしょうか?国際社会で孤立しないのでしょうか?
武器輸出原則などの制限を取り払うとともに、防衛のための武器を提供できる体制(製造、運搬等)を構築すべき時だと思います。さもなければ、事が起きたとき日本に必要な武器を供与してくれる国は現れないかもしれません。
政治家は、こういう現実的で緊急の課題を、もっと真剣に討議してもらいたいものです。被害を被るのは、我々国民なのですから。
令和4年4月2日(土)