経済安保関税を

ひたすら関税の引き下げで自由にという一辺倒のグローバル政策の時代はすでに終わっている。

例えばレアアースのように、経済安全保障に関わる資源や材料等の輸入においては、国産品の保護/維持の為に安い外国産に相当の関税をかけるべきである。
ようやく鳥島近海の海底からレアアースなどの資源採掘が行われるようになった。本当に遅いと思うが、今からでも良いから迅速に動いてもらいたい。まちがっても、くだらない官庁の縄張りあら際とか、ひたすら時間を掛けて既存の利得権者、例えば輸入業者などに味方する行政をとらないようにすべきである。

民主主義国家と覇権主義国家の対立が当たり前のように言われるようになったのだが、この最も深刻な分断を招いたのは、政治的なイデオロギーそのものだけではなく、国民の経済的豊かさ言い換えれば貧困と格差の問題が大きい。つまり、民主主義と言うよりも自由資本主義経済の弊害なのである。これはトランプの例をもちだすまでもなく、民主主義国の代表国に置いてすら発生している問題である。

この問題がなぜ覇権主義国ではうまくやれているように見えるのかと言えば、彼らの採用した資本主義は欧米型の自由で市場にすべてを委ねる放任的な資本主義経済ではないからである。国家全体にとって重要な製品・材料などは、国営化もしくは国の統制下に置いている。その為に過剰な競争が起こらず、国内企業を外国製品から守れている。

これからの自由資本主義経済は、これまで通りに自由で市場の競争原理に任せる部分と、国と民間が一緒になって対応する部分とに分かれるであろう。これが覇権主義国の経済に対抗できる唯一の策とも言えるはずである。

冒頭の経済安保関税というのは、その考え方に基づくもので、既存の行き過ぎた自由貿易体制の修正でもある。これをいちはやく、きちんと導入できた民主主義国だけが、今後も資本主義経済を続ける中で健全な成長を保つことができるだろう。日本はその先頭に立つべきである。

令和4年10月31日(月)

 

2022年10月31日|分類:安保, 政治, 経済