国立クラウド:受発注システム

 日本企業では、企業間での注文と受注に関わるシステム化が極端に遅れています。中小企業の実に8割が、寿は注をファックスで行っているそうです。これは個々の企業が、発注・受注を機械化(システム化)していないと言うことではありません。ですが、そのシステムはバラバラですから、異なる企業間でオンラインによる受発注システムを共同で使うことが出来ないわけです。たまたま同じ商用クラウド型サービスを使用していれば、相互に使えますが、それはその企業にとっても一部分でしかないでしょう。

 日本企業がすべてWindowsで占有されてしまったように、受発注でも、海外特に欧米のITサービスに席巻されてしまえば別ですが、それでは、日本の国益につながらないのは言うまでもありません。大半の日本人の気質からしても、国内企業でそのようなデファクトスタンダードのサービスを展開する会社の出現する可能性はかなり低いものです。詳しくは、日本人の気質などの弊著をご参照ください。


 そこで、まずは国が音頭を取って、クラウド型の受発注システムを構築してはいかがでしょうか。製品や商品の種類は、膨大な数に上りますから、それらすべてに細かく対応したものを作るのは無理があります。ですが、注文すること、注文を受けることにおける一連の作業そのものは、企業の規模や業態が異なる企業間においても似たようなものです。その企業独自の仕様があるのなら、そういう独自のアプリを追加すれば良いのです。りそうは、それもクラウド側に設ける事ですが、企業システム側でもかまわないと思います。

 受発注のような企業の重要なデータですから、外に任せることには抵抗も大きいかと思います。ですがそれが国によるサービスなら、まだ安心でしょう。

 IT化が遅れている企業でも、このシステム採用によって、社内のオンライン化が進むはずです。おおげさにいえば、はやりのDXにもつながるかもしれません。当然セキュリテイは、より堅固なものが用意されるはずですから、各ユーザ企業の参考にもなるはずです。強固なセキュリテイをすべての企業が持つことは、これからの社会においても重要な事柄です。


 このシステムを動かすのに、必要なのが企業の固有ナンバーです。国民番号(マイナンバー)とおなじもので、その企業版になります。いまでも、所得税申告などのために、所管税務署の企業番号がありますが、これを全国レベルに統一的に拡大したものが必要となります。このようなキーコードが出来ると、それを利用した様々なデータ解析も効率よく行えるようになります。このビッグデータ解析により、日本の産業界の弱点や景行などをいち早くつかむことも夢ではないかもしれません。
 税金対策などからも、国に情報を渡すことをためらう企業もあるかもしれません。しかし、このように有益なデータを入手することも出来るはずです。


 このシステムの運用ですが、官僚の天下り先となることだけは裂けねばなりません。必ず失敗するし、無益な金食い虫になるからです。実際の運用は実績を持つ国内企業に委託しましょう。その上で、ある程度の企業が参加したならば、完全民営化してもも良いはずです。そこからさらに世界的なIT企業になってほしいものです。

 新しく作られたデジタル庁からは、このような国益にかなう具体的なアプリを生み出して欲しいと思います。


令和3年8月5日(木)

2021年08月05日|烈風飛檄のカテゴリー:idea