日本全土図を正しく表示
小さな事からコツコツと 直していきたいこの日本!
日本が海洋大国であると言うことは、機会あるごとに触れてきてはいるが、世の中にはまだまだ浸透していないようである。ひとつの大きな原因として、「日本全土」の地図に問題があるのでは無いかと感じている。
テレビの天気予報で日本全体の地図がよくでてくる。だがすべて本州を中心にし、切り取った沖縄や伊豆諸島などを追加した形のものばかりである。これは決して日本全土図ではない。
日本全土が入った本当の日本地図は、これである。
これは国土地理院が公開しているホームページからとったものである。外国に不法占拠されている島々はむろんのこと、東西南北最も遠い島もきちんと表示されている。
ちなみにこれがその四島。
こうしてみると、東西と南の端がはるか彼方の海の中だということがよくわかる。遠い島は、東京から2000kmも離れている。残念なことに、こういう地図が日常の中ではなかなかお目にかかれない。
【地理院地図HP】
各種の地図(Map)サービスをよく利用される人でも、こういう図を見ることはほとんどないだろう。なぜなら、よほど大きな画面で無い限り、沖ノ鳥島や南鳥島を表示すると画面から日本本土が消えてしまう、逆に全部を一画面に出すとこれらの島の表示が消えてしまうのだ。一度試してみてほしい。
これでは常日頃日本全体のイメージが正しく頭の中に浮かぶはずなどあるまい。ましてや、海洋大国のイメージなど。日本海洋大国がひとめでわかるのが、次の海上保安庁の公開している図である。国土地理院の図とイメージが少し違う事もわかる。表示方法の違いであろうか。
この海洋権益、いったいどれほど利用しているのであろうか。もったいない話である。 【海上保安庁 日本の領海等概念図】
そこで小さな事からコツコツと出来る提案がある。それはテレビなどで、日本の地図を出すときには、上記のような東西南北すべての島が表示されたものを使うようにする事である。特に天気予報は、回数も多く放送される。頭で必ずこの全土図を1秒でも良いから挿入してほしい。そこからいまのような天気全図に画面転換したとして、どれほどの問題があるだろうか。
国内にまだまだ豊かな海洋資源があり、訪れていない多くの島々がある。国内観光の上からも、もっと日本全体を意識させてほしいものである。ここからも国内需要の喚起があまりにも不足している事が言えよう。徳川幕府は、「海国兵談」を書いた林子平を世を乱したとして罰した。その愚かさがいまも残っているのでは無いかと疑いたくなる、海洋への無関心と無策である。国境の諸島について防衛は当然のこと、もっと積極的な活用を行ってほしいと思う。日本人を近寄らせないなどというのは、愚策中の愚策である。
平成27年(2015)8月9日(日)
(参考:国土地理院地図-マウスクリックで移動可能)