遠隔授業のモデル案

 相変わらず、現状維持派が訳のわからないヘ理屈を並べ立てて、遠隔授業の実現を妨害している。この腐った文科省と教育関係者をたたき出さない限り、日本の教育の再生はおぼつかない。教育が再生できなければ、いつまでも集団農耕型社会から抜けきれず、改革も無く自滅していく運命が待つばかり。

 遠隔授業というとき、過疎地などで教師が不足する場合に遠隔地から授業を行う事が、まず第一に頭に浮かぶ。しかしこれだけでは無く、教材用ビデオの全国利用など、遠隔地とむすんださまざまな形態が考えられるのである。たとえば、理科などの実験でも、大掛かりな設備などを必要とし、コストもかかるようなものを各学校で行う事は現実的には不可能である。その場合、単に録画されたビデオを見るだけでは無く、中継によって生の実験現場の様子を全国から見る。それをみながら、各教室で教師が説明を加えるような形が考えられる。この場合、編集されていない生中継が重要なのである。成功も失敗すらも、実験の一部なのだから。


 教師による人間的な関係を重視した対面教育が重要だから、遠隔授業は認めないという理由があるそうだ。まさに、盗人白々しいとはこの事だろう。全国学力テストで自校が高成績を治める為に、過去の問題などその受験対策に力を入れて、肝心の教育がおろそかになる。これのどこが、対面教育なのだ。もっと肝心な事がある。

 まず第一に、学校で教えるのは知識と知性の二つだという点がある。自分で考えたりするような知性をより発達させるには、機械教育より人間によるものが向いているかも知れない。だが、知識を習得する目的のためには、コンピュータ端末を利用した学習などが大きな成果を上げている現実がすでにある。そのような知識習得の学習においては、遠隔授業はより効率的とも云えるだろう。

 コストの面もある。とかく日本の社会は、良いものを皆で作り皆で利用するという意識が希薄である。なにかといえば、自分の組織だけでものを作ろうとする。それでは、無駄ばかり発生する。それが地元経済の活性化につながるという話も、目先利益の誘導を目指す現状維持派の企みに過ぎない。全国でひとつ、より良いビデオ教材を作り、それを全国で活用する。こういうときこそ、文科省の好きな中央集権を発揮すべきであろう。


 文句はきりが無いので、そろそろ具体的な私案をひとつ述べてみたい。

 VR(Virtual Reality : バーチャルリアリティ)は、20年以上も前からITの世界では騒がれていたのだが、いかんせんさまざまな技術が追いついてこなかった。それが、一般にも利用される時代がようやく来たのだ。しかし、各個人がゴーグルをつけるような姿は、教育としてはあまりスマートな姿とは言えないだろう。そこで、遠隔授業としては、MR(Mixed Reality : 複合現実)もしくは、AR(Augmented Reality : 拡張現実)を組み合わせたシステムを提案したい。

 これからの教室では、大きな画面が標準装備となる、いや成らないとおかしい。同時に、教室からの放送もまた標準になる。それらを前提として話を進めよう。

 まずは、専門的な知識をもちわかりやすい説明が出来る教師を用意する。その教師が使うビデオを作成しておく。教師は生徒のいない教室から授業を全国に放送する。全国の各教室では、MRにより、教壇にあたかもその教師がいるように見える。そして、使われる教材ビデオは、同じものが各教室でも流される。各教室の生徒は、普通の授業通りにわからなければ手を上げて質問したりする。それらは各教室のTVカメラでうつされているから、そのまま中央の教師のいる所に送られてくる。教師は生身の生徒の代わりに、モニターを見ている。当然モニターは、全国の多数の教室からAIによって必要な教室を選んで映し出している。教師はその場で、質問に答えることが出来る。


 この狙いがわかるだろうか?これまで遠隔授業と言えば、教師と黒板を移すカメラマンのとった画面が流されてくるというものだった。これでは、カメラマンの視線でしか教室も教材も何も見えない。そうではなく、生徒一人一人が普段の授業と全く同じ視線で教師や教材を眺めながら学べる。単なるテレビ中継でも、一方通行のビデオでも無いのだ。IT技術の先進国を自認したいのなら、なぜ、この程度の事が出来ないのだろうか?技術的にはすでに十分実現できる範囲なのである。要は、教師がそこにいるかのように見えることと、その教師と会話が可能なことが重要なのである。

 これから学校の物理的な有り様は、安全に関わる規制は別として、それ以外の規制は取り払い、代わりにすべての教室にあらかじめ必要なIT機器が備えられた学校を建てる必要がある。

 校内センター、外部のセンターともつながった大画面。非常時などの情報を移す脇画面。教師のタブレットと連動した、ホワイトボード兼用画面。これら3画面は、必須である。それに教壇での仮想教師用(MR)機材。  長くなるので、物理的な教室の在り方の詳細は、ここではこれ以上立ち入らないでおこう。


 この仕組みが実現し拡大すると、質の高い教師だけが残り、教え方の下手な教師や勉強しない教師は不要になる。だから、教師も反対するのだろうが。地域格差などなくそうとする意識が本当にあるのかどうかである。何でも反対の現状維持派の政治家をまずは落選させるところから始めようではないか。むろん、改革を口にしながら、何も考えていない馬鹿政治家も多すぎるのだが。結局投票する政治家がいないのだから、情けない!

平成29年9月13日(水)

 

2017年09月13日|烈風飛檄のカテゴリー:edu