情報省の機能:サイバー防御
今の日本人は、まさに平和ボケというのか、危機に対する意識がなさ過ぎるのではないか。これだけ、サイバー攻撃が頻繁にあり、情報漏えいなども数多く起きているのに、知らん顔。
中国からのサーバー攻撃は、すでに言われていたにもかかわらず、数多くのサイトが攻撃を許し、のっとりや情報の引き出しまでも許してしまった。とくに、東工大など大学のサイトトがやられるなど、あきれてあいた口がふさがらない。今日も文化庁のサイトが書き換えられたとの報道があった。一方で、もっとも狙われるであろうサイトのひとつの、東京都のサイトは、2日間で1億を越えるDoS攻撃に耐えたようである。
技術もさることながら、結局は平常の意識ということであろう。なにかことが起きないと、何も対応行動を起こさないことは、今回の韓国、中国との外交でもおなじで、原発事故対応時と何も変わってはいない。
情報管理にかかわる一元的な省として情報省の創設を何度もかいてきた。その情報省の役割の中で、これまで軽視され、みむきもされたかったのが、このサイバー戦争への抑止力である。この領域は、非常に範囲が広いはなしで、警察が取り締まるというレベルの話だけではすまない。政府や防衛産業さらには最先端技術を持つ企業などのサイバー防衛も重要であるが、さらに、原発、水道などの社会インフラを麻痺させる攻撃にも備えておかなければならない。さらに軍事的なサイバー攻撃に進めば、たとえば、レーダー網や早期警戒システムへの攻撃、GPS衛星などの衛星攻撃も、当然のように対象になってくる。特にインフラのセキュリテイは、防衛省、警察に加えて、情報省が中心となって対策を講じておくべきであろう。
アメリカの国土安全保障省に相当する組織としては、防災省と情報省を考えている。インテリジェンスの中心である国家安全保障局は別にあって、日本ならば、防衛省傘下になる。
おそまきながら、サイバー攻撃に対して、経済産業省による特定企業によるセキュリテイ団体ができた。だが、規模がちいさすぎて、国家的なサイバー攻撃には無力であろう。こんなところで、省庁の権限争いなどしている場合ではないのだが、いまだ変わらない日本の現実である。
なぜか、日本のマスコミが例によって、ほとんど取り上げていないニュースがある。
ひとつは、マイクロソフトが発見した、中国で作られたPCのOSが改ざんされていた問題である。毒餃子事件は、中国で毒を入れられたにもかかわらず、結局うやむやにされたが、食品だけではないのである。中国で作られたPCに、情報収集のスパイソフトが仕組まれていたならば、それを企業や役所が使えば、どうなるか。それにしても、どうして、これほども問題を、取り上げないのであろうか?
もうひとつは、かなり昔から言われている問題で、中国のルータ(通信ネットワークに使う機械)が、やはりスパイなどのソフトが仕込まれていたり、何かおかしな挙動をする疑いがあるとして、欧米では、使用不許可だったり、テストをして安全を確認したものしか使用が許可されないなどとなっている。いっぽうで、金の亡者とか化た日本企業と経営者。大手通信業者が、このルータを安いというだけで、何のためらいもなく採用しているのである。専門的なことは省くが、このルータは、ネットワークの中心的な機器で、ネットの動きをコントロールしたり、流れている情報を盗んだり、いわば何でもできるものなのである。
昔の話であるが、中国へのインターネット(IPネット)を伸ばすためにシンガポールの企業と提携してルータを設置したことがる。そのときも、中国側は、そのアクセスをすべて監視下において、特別なコントロール、たとえば、都合の悪いサイトへはアクセスさせない、などを行っていた。
人が良いといえば聞こえは良いが、たんなる、あほであろう。これ以上何か起きてからでは遅いのだ。対応をして何もなければそれでよい。火事が怖いから、消火器をおかないという日本人はいないはずである。情報の危機管理も同じ考えでやればよいだけ。
情報省の設立を急げ。
平成24年(2012)09月24日