食育に関わるシステム開発
今の世界では、教育の分野においてIT(情報分野の技術)はなくてはならないモノです。それは教育内容に情報関連が必須であるという意味にくわえて、効率的でかつ柔軟な仕組みを活用するにはシステム化(機械化)が避けては通れないという意味があります。
システムの重要性は食育においても同じです。ここではそのいくつかを見ていくことにします。
まず給食と言えば、食物アレルギーの問題が頭に浮かびます。生徒のアレルギーを正確に把握しておくことは非常に重要です。となれば、常に最新の状況を教えてくれるデーターベースが必要です。特に生徒が教室を自由に移動できる環境下では、給食時に教室にいる生徒を正しく把握して、アレルギーが無いか確認する必要があります。教師のタブレットには、そのような情報が、リアルタイムで表示されねばなりません。無論今日しも注意を払うことは当然なのですが、加えてシステムがチェックしてくれれば、安全性はより高まります。
また、給食を提供する側にもきめの細かい最新データが保存されていて、必要な配送計画などを示してくれるシステムが必須です。
一年間の給食メニューに合わせて必要な材料を算出したり、それをどこの生産者からどのくらい仕入れるのか、膨大なデータ処理が必要です。しかもこれは日々変わっていきます。天候に左右される生産物は、特に変動の幅が大きいわけですから、場合によっては、メニュー変更が必要になります。その基礎データを的確にしめしてくれれば、管理栄養士や給食管理者が判断を迅速に下せるようになります。
大きく集められた食糧倉庫から、大部分は給食センターに運ばれますが、お米などは各学校の給食質に運ばれるでしょう。それらの管理と配送の手配などもシステムの重要な役割です。
急速センターで作られた惣菜などを各学校などに時間通り配送することは重要です。保冷車や保暖車の最適な運用も必要です。
給食メニューの献立作成は、人間が中心になりますが、その履歴や栄養バランスなど、システムが活躍する場は多岐にわたります。
食事後にもシステムは活躍します。廃棄物のかんりです。バイオマスとしてサイクルされるものと、焼却等のゴミにするものの管理などです。
このように食育に関わる分野でも、システム化はなくてはならないものです。これらのシステムは自治体ごとなどで別にする必要はほとんど無いはずですから、国がまとめて基盤システムを開発して、それを地域で活用する。それが望ましい姿です。地元にお金を落とすという美名で、無駄な多重のシステム開発を許してはなりません。ハードや運用は地域に任せるとして、システムのソフトは統一されるべきです。そうしておけば、各地域のシステムのカバー範囲が変更になっても、問題は起きません。つまり柔軟に対応できると言うことです。
天候不順などで、仕入れ先の生産地を大きく変えなくてはならないことは、必ず発生することだと考えておくべきです。そのためにも、統一されたシステムが重要なのです。
システム化は、新しいやり方を始めたときに、同時に考えて開発をしていかなくてはなりません。このシステムのできの善し悪しが、運用の善し悪しに影響を与えることを肝に銘じておくべきでしょう。
令和3年2月9日(火)