自虐的日本人が生まれた理由

遺伝と環境のどちらが性格に影響するのか、つまり性格を決めるのは氏(遺伝)か育ち(環境)かという昔からある話しになる。現在の心理学では、遺伝と環境の性格に与える影響は、ほぼ同じ位だと考えられているが、同時に因子毎に影響度に差がある事もわかってきた。つまり遺伝の影響が強い項目と、生まれた後の環境の影響が強い項目とがあるということになる。(*)

性格を現すさまざまな因子のひとつに「自尊感情」というのがある。自分をどれだけ尊敬できるか、自分をどれだけ肯定的に捉えて好きかという感情である。この自尊感情、戦後の日本の子供の自尊感情が世界的に見ても極端に悪いことが、専門家の間では問題となってきた。自分に自信がもてない、自分を卑下する、自己否定的な感情を持つ日本人の子供が多いという意味である。

いっぽうで、この「自尊感情」は、他の項目と比較して、最も遺伝の影響が少ない因子のひとつと考えられている。遺伝的な影響は30%程度で、後は生まれてからの環境によって作られると言うことになる。

「自尊感情」は遺伝よりも環境によって影響を受けやすいのだが、環境とは家庭環境や社会環境を意味する。とりわけ社会環境の中では、教育の果たす役割は大きいのだろう。戦後のアメリカによる思考操作、とりわけ日本という国を否定し、日本人を否定する自虐思考の教育と洗脳(正確にはマインドコントロール)が行われたのは、もはや誰も否定しない事実である。それまで社会の中枢にいた人を追い出して、かわりに思想犯として刑務所にいたような人物をその職につかせたり、それまでの書籍を発禁・焼却し、娯楽においても日本人をたたえるものは全て禁止され、メディアにもまさに言論統制がひかれた。

だが問題はそれだけでは無い。真の問題は独立を回復した後のことである。このように歪んだ教育はそのまま正されず、メディア等による思想コントロールも、独立後も延延と続けられたのである。さらに自虐教育を受けた人々がおとなになって、そのまま政治家、官僚、メディアなどとして、自国を貶める自虐的な社会環境を形成してきたのである。これこそ、まさに集団農耕気質の持つ気質の欠陥によるものであるが、詳細は本文に譲ることにしたい。

なんにせよ、これらの事が、戦後の日本の子供達や日本人全体の異常な自尊感情の低さにつながっているとみることは、それほど無理な話では無いだろう。戦後の日本人が正そうとしなかった自虐思考が、自虐史観を生んだのである。


つまり他国と比べて非常に自尊心が低い今の日本人は、戦後の教育やメディアにより作られた社会環境が、日本人の性格に影響を及ぼした結果なのである。もしも自尊感情が、環境よりも遺伝による影響が大きい因子であれば、ここまで自虐的な性格、国民性にはならなかったであろう。

こういう裏付けの有る事柄を元にして、まずは現在の歪んだ学校教育を正していくことを、日本人全体が考え無くてはならないのだ。時間はかかるだろうが、「自尊感情」は環境で変えられるのだから。


(*)性格に関わる本や論文を読めば、必ずと言うほどに記述されているので、敢えて出典は書きません。

令和元年9月29日(日)

 

2019年09月29日|気質のカテゴリー:補章