EU村のくくりを壊すVW問題!

 いくら外伝でも日本人の気質で、外国を話題にして良いのだろうか? 日本も他山の石としなさいと言うことで、勘弁願おう!
 フォルクスワーゲンの排ガス不正問題は、案の定というか次々と隠蔽が明らかとなってきた。その中には、VW社内はもちろんドイツという国、さらにはEUまでもがそれに荷担していた可能性が指摘されている。すでに「フォルクスワーゲン問題と「くくり」」(9月25日ブログ)で書いたように、これこそくくり(組織)に撞着しすぎた組織は腐るという実例を示している。くくりは日本だけの問題ではないのだ。

 

 次々と明らかになる事を重ね合わせていくと、日本の集団農耕型気質の組織が起こすくくりへの異常な撞着と同じ構図が見えてくる。

 そもそも不正ソフト開発したのは、部品大手のボッシュである。しかもその不正使用の可能性について認識しており、VWにもあくまでも開発時に使うもので、実際の車に搭載することは違法であると2007年には文書でVWに伝えていたという。だが、所詮はVWから見れば仕入れ先に過ぎない。

 2011年にはVW社内からも上司に対して違法だとの指摘が成されたが、無視された。東芝同様にトップなどの権力者が知って直接指示したものであれ、社内の雰囲気で認めるという間接の容認であれ、上に立つものの意識が犯罪を厭わないくくりを生み出してしまうのだ。

 二年前には、EUもこの事実を知りながら何ら対策を打つことは無かった。はやい話が、黙認である。これが日本車なら大変なさわぎであったろう。くくりという事の恐ろしさは世界共通である。

 アメリカで不正を指摘をしたのは一年以上も前である。だが、VWは長期間にわたりどうしても不正を認めようとはしなかった。それなら、許可を取り消すと最後通告されてようやく事実だと認めたのである。この経緯、日本企業の過去の不祥事と全く同じと言えよう。


 この問題を取り上げたコラムには、ドイツ企業の覇権主義体質を指摘する声もある。つまりは、ドイツ人の国民性として、世界に覇を唱えるという意識があると言うことだろう。ここでもやはり、気質の影響が顔をのぞかせている。これからの企業経営者は、よくよくこの事を頭に入れておくべきであろう。
  日本を含めてくくりへの撞着を起こしやすい国民性を持つ国々においては、それをあらかじめよく知った上で様々な事をなさないと、とんでもない罠に陥ることにも成りかねない。

 複雑で様々なくくりが絡み合っている。その大元のくくりが壊れかけているのである。それがいずれは良い結果を生むことにつながろうとも、しばしの混乱はままぬがれないだろう。常識の毒「ドイツは優等生-VW問題は歴史を動かす」参照。

平成27年10月6日(火)

 

 

 

 

 

 

2015年10月06日|気質のカテゴリー:外伝