東芝半導体売却に見える日本の経営者の自己中

 半導体事業を失敗させた東芝の当時の経営者達。自己中かつ無能な経営者と言われても仕方が無いであろう。集団農耕型気質の典型と云える。外来崇拝、同じ日本の会社に対する異常な敵愾心などが、この気質の特徴であることは日本人の気質で詳しく述べている。それを繰り返しはしない。だが、半導体部門の売却における騒動は、さらに他にも多くの、同じ集団農耕型気質の日本人のひどさが目に付いてしまう。

 そもそもなぜ唯一の儲け頭を売却するのであろうか。はっきりいえば、それは今の東芝経営陣と支援金融機関の経営者達の自己中心的な決定であることは、火を見るより明らかであろう。それをなぜメディアも専門家もきちんと指摘できないのだろうか。一部には小さく取り上げられてはいるが。
 たとえ、今の東芝が上場廃止で一度つぶれたとしても、JAL同様の再生の道は十分にあるはず。それをしないのは、すべて現状維持を図りたい経営者と関連勢力のいわば「東芝村の仕業」である。集団農耕型の人間達は、自分たちのくくりこそ最優先で、国や社会のことはおろか、国益を損なうことですら平気でやるのである。それを止められない政治家や官僚も、所詮無能としか言いようがあるまい。

 海外の企業がよってたかって買収を希望しているというのに、日本の企業からは希望が出てこない。これは、この業界の日本企業の経営者達もまた、自ら経営者としての無能さをさらけ出したことになる。なぜなら日本の経営者だけが、ほしがらないなど他に何の理由があろうか。東芝だけではない、これまでも海外企業に買収された大手企業や技術を持つ日本企業。そのとき、およそ日本企業の経営者達は、知らん顔。これこそが、自分のくくりの利益以外考えない、現状維持しか考えない、真の経営能力も先を見る能力もない、そんな集団農耕気質の人間がわずかな権力を握ったとき、社会や国全体の利益を損なう典型的な事例なのである。

 集団農耕型気質の多くの人間が、今の日本社会の実権を握り続けていることの恐ろしさを、もういいかげんで、気づくべき時なのだが。

平成29年6月14日(水)

2017年06月14日|気質のカテゴリー:外伝