安倍政権が自滅への道を進む理由

 結論を先に述べるならば、官僚による統治時代が長く続くと国を滅ぼすからです。安倍政権は戦後最大の長期政権でありながら、なかなか歴史に名を残すような政策の実現も成らず、運の悪さも重なって、ここ数年はくだり坂を転がり出したかのようです。どうしてこのような事になったのでしょうか。

 様々な事が言われていますが、「日本人の気質」から言えば、実に簡単な事なのです。彼の周りには、とりわけ実働部隊に孤高武士型気質の人物がいなかったと言うことにつきます。

 ネットでこんな記事がありました。『安倍首相の周囲にいる大臣以上の権力持つ7人の「君側の奸」』。あまりにも無礼な題名です。元が反安倍で有名な週刊誌ですから、書かれている内容の信憑性については、無視することにしましょう。ただ、ひとつだけ納得することがあります。それは総理周辺の7名全員が、官僚出身だと言うことです。それも、かなり官僚的つまりは集団農耕型気質の典型に見えると言うことです。

 たとえ安倍総理への強い忠誠心があろうとも、逆にそれは「アベ村」というくくりに病的に撞着していることになります。真の国益や国民の為に働くのではなく、アベ村というくくりの維持が最優先となるわけです。そこに、権力を握った物のおごりが出て、自分がお上になったかのような振る舞いが出てきます。そうなれば、もはやまともな判断は出来なくなります。集団農耕型が、あるくくりに病的に撞着して権力を行使すれば、その組織は必ず自滅すると、「日本人の気質」や「歪んだ人達」で詳しく述べてきました。まさに、それが目の前にまたもあらわれているわけです。日本という国や国民よりも、自分達のくくりの維持が最優先となれば、後は坂道を転げ落ちるだけなのも至極当然の話です。

 周辺の官僚上がりの取り巻きは仮にそうだとして、ではなぜ安倍総理自身が、それを破壊したり、より良い方向に持って行けないのでしょうか。残念ながら、彼もまたその意識とは裏腹に、行動は集団農耕型気質そのものだからです。おまけに周囲に誰も孤高武士型の人材がいません。  そのために、彼もまた、アベ村の気持ちよさに囚われ、さらに旧態依然とした政治村の論理や習慣に固執しているわけです。これでは、大胆な改革など出来ないでしょう。

 様々な委員会をたちあげたり、特区構想や改革案を打ち出しながら、一向に成果が上がってこないのは、真の実働部隊、すなわち破壊を恐れない孤高武士型人材に政策を実行させていないからです。どんなにすばらしい案も、官僚にやらせたとたん、彼らの権益保護の道具と化してしまいます。税金が無駄につかわれ、政財官の歪んだ癒着がさらに強化されるだけで終わるのです。この事に気がつかない、あるいは気づいていても直せないのであれば、はやり力不足と言わざるを得ないでしょう。

 私たちはこのまま、この国が自滅の道を進んでいくのを、見守るしかないのでしょうか?なぜか身震いを覚えてしまいます。

令和2年(2020)6月22日(月)

 

2020年06月22日|気質のカテゴリー:外伝