気質のベクトル

 個人の性格(個性)は、様々な気質要素が複雑に絡み合ってできあがりますが、その時々の個人の置かれた環境などによっても、その言動・行動などは左右されます。また一つの気質要素が、どの領域に対して向かうのか、目標による違いも当然に出てきます。

 このような気質要素と気質のベクトル(方向性)との関係性を見てみることにしましょう。これはあくまでも一つの例であって、必ずこうなると言うことではありませんのでご注意ください。

 集団農耕型気質の気質要素に、「極端に走る傾向」が上げられます。この極端に走る、つまり同じ方向に行きすぎる傾向を見てみることにします。


 ベクトルの向き、つまりどの分野に向かうのかで、新たな性格が表出されます。

 技術分野に向かうと、より良い技術の開発などが生まれますが、一方で行き過ぎると弊害もでます。
   好ましい方向:新しいものの創造、改善
   悪しき方向: 過剰品質、技術者の自己満足、いいものは売れるとの勘違い(技術至上主義)
 効率に向かうと、問題が生じやすいです。
   好ましい方向:高い効率性
   悪しき方向: 過剰労働、過労、不正
 サービスに向かうと、問題が生じやすいです。
   好ましい方向:おもてなし
   悪しき方向: 人の無駄遣い 過剰サービス、過度のサービス競争
 産業に向かうと、問題が生じやすいです。
   好ましい方向:高度なノウハウを持つ企業
   悪しき方向: 同じ業界に集まりすぎる、偏った産業構造、横並び、人まね
 自社に向かうと、問題が生じやすいです。
   好ましい方向:独自性
   悪しき方向: 囲い込み、共同せず、標準化出来ない、ガラパゴスへ
          共同使用の遅れ、インフラシェアリングの遅れ


 このように気質のベクトルを考えていくと、何が問題なのか理解しやすくなります。当然対策も考えやすくなるはずです。

令和4年9月2日(金)

 

2022年09月02日|気質のカテゴリー:補章