アメリカ人気質の一面:力が正義

日米安保の実効性を破壊しているのは日本人自身とトランプの豹変


 私は「常識の毒」のなかで、アメリカが日本を本当に守るのかという疑問を提示した。欧米人やアメリカをよく知る人達の中には、私と同じような考え方の人もいるだろう。だが、ほとんどの日本人はそれを頭では理解できても、感覚で賛同出来る人は少ないだろう。欧米人と一緒に仕事をしたり、色々とつきあってみて始めて肌感覚は生まれるのだろうから。  トランプが正体を見せ始めたとでも言うか、安倍総理との仲も急速に冷え込んでいるようである。次の記事の中で述べられている、G7でのトランプの反日的な言動は、フェークニュースなのであろうか?  真実、偽のいずれに依らず、このように重大な事を取り上げてきちんとその意味を解説しようとしないメディア、これこそが日本を破滅に導く先導役を果たしているのだが、自分の頭で考える事をしなくなった、いや出来なくなった多くの日本人は、その危機的な状況すらも認識できないでいる。



【正論】「日本に何ができるのか。アメリカを前面に立たせて日本は後ろにいるつもりか」 トランプ米大統領のいらだちが問うもの

 『5月26日、先進7カ国(G7)首脳会議直前に行われた日米首脳会談の場で、北朝鮮と中国の関係に話題が及ぶや、トランプ大統領が態度を一変させた。関係者の話を総合するとこうなる。

 中国はよくやっていると語るトランプ氏に対し、安倍晋三首相はその不十分である旨を説いた。正しい指摘である。ところがトランプ氏は、いらだちもあらわに、居丈高に言い放つ。

 では、日本は一体何ができるのか。もし北朝鮮と軍事衝突になった場合、アメリカを前面に立たせて後ろにいるつもりか。ミサイル防衛に力を入れると言うが、自分を守るだけの話じゃないか。』



 反安倍、反保守のメディアなら、むしろ日米安保不要論に結びつけられる絶好のネタである。だが、沈黙している。保守や右よりとされる言論人でも、欧米人の気質を知った上で、この内容を正しく説明できる人はほんのわずかである。

 長くなりすぎるので解説は省くが、私の言いたいことは要するにこういうことになる。

 欧米人とりわけアメリカ人(白人だけで無いところがややこしい。オバマなど典型なのだから)のほとんどは、力が正義だと信じている。それゆえに、力の無いものを認めることはしない。例え悪であろうが何であろうが、相手が力をもっていれば、その対象をまともな交渉相手と見なすのである。中国やロシアがこれにあたる。
 力なき者は、踏みつぶすか奴隷化することを基本としている。日本とはまさにそのような存在である。

 アメリカ人は歴史を持たないが故に、歴史を顧みない。前述のような日本を作ったのは、間違いなく戦後のアメリカ占領軍であるにもかかわらず、状況が変わるとそんな事は全く意に返さない。今の相手しか見ないのだ。その事も、日本人は全く理解出来ないでいる。

 信義とか友情などと云うものは、アメリカ人は同じアングロサクソンにしか持つことは無い。個人的にいかに仲良くなっても、国益がからめば豹変するし、白人優位主義が頭をもたげる。これは理屈では無く、大多数のアメリカ人の遺伝子に刻まれた気質なのだ。

 一部のアメリカ人は、日本から利益を吸い上げるために歪んだままの、日米安保の存在を認めている。だが、そのような利益から離れたトランプのような一般のアメリカ人は、アメリカが日本を守り、日本はアメリカを守らない、そんな馬鹿げた話は、理屈の上でも、感情的にも認めることはあり得ないのである。

 トランプをアメリカ人の異端児のごとく言うが、それは嘘である。『中国は北朝鮮に対してアメリカのために力を行使してくれている、日本は文句を言うだけで何もしていないだろうが』このトランプの考え方はアメリカ人一般のごく普通の、つまり大多数の考え方なのだ。この事(中国の対北朝鮮)が真実かどうかなどは、単純なアメリカ人にはどうでも良いのである。はっきり言えば、馬鹿力だけのアメリカの本性なのである。



 なら、日本は真にアメリカから独立して自らの国を自ら守るにはどうしたらよいのか、真剣に考えなくてはならないはず。しかしそれを邪魔しているのが、他成らぬ多数の日本人なのだから始末が悪い。
 核兵器は持ちたくないが、自国は自分の手で守りたい、いや守るしか無いとき、どうしたらよいのか。自分の頭で考えるか、考えられないのなら、少なくとも馬鹿げた、日米安保強化や逆の平和原理主義、九条擁護の誤った考え方に、簡単に賛成したり踊らされたりしないことである。

 安全保障は何かあってからでは遅いのである。もはや、トランプは日本や安倍総理など軽蔑の対象でしか見ていないと知るべきである。

平成29年6月7日(水)

2017年06月07日|気質のカテゴリー:外国人気質