AI開発も新しい段階に来ている:悪AIへの対抗

 AIを活用した各種のアプリやシステムが花開いている。古代文字の解析から、ラブレター作成まで、実に幅広く利用されるようになったAI技術。ウクライナ戦争でも、AIが敵方の現状を分析して,、取るべき軍事戦略を提示するソフトが使用されているという。逆に覇権国家や独裁国家ではこれを悪用したソフトの開発も行われ始めている。いずれ知らない間にネットに出現しているかもしれない。例えば第二のChatGPTと称して。

 としたら、これらの不正なAI使用がなされたシステムにどのように対抗するのか。防衛上も非常に重要な課題である。正直、これは自衛隊だけで対処出来るものではない。ChatGPTが次のような回答をしてきた。全く同感である。

 

 

【質問】悪用された場合、それに対抗するAIを開発することは技術的に可能ですか?
【回答】
  悪用された対話型AIに対抗するAIの開発は技術的には可能ですが、これは複合的な課題であり、機械学習、自然言語処理、倫理、セキュリティなどの分野の専門知識が必要です。
  悪用された対話型AIを検出し、抵抗するためのAIシステムの開発には、それらのシステムがどのように悪意を持って設計・使用されるかについての深い理解が必要です。また、倫理的な原則や価値に沿ったAIの開発に向けたコミットメントも必要です。
  さらに、悪意のあるAIの潜在的な危害を軽減するための対策の開発には、研究と開発の継続が必要であり、異なる分野の専門家とのコラボレーションも必要です。これは、AIの悪用は多様な形態をとり、時間の経過とともに進化するため、新しい革新的な解決策が必要であるからです。
  結論として、悪用された対話型AIに対抗するAIの開発は可能ですが、それには重要な努力、コラボレーション、リソースが必要です

 

 ということで、ここからも自衛隊だけの手に負えるものではないことが理解出来よう。未だに学者は軍事研究はやってはならないなどと、一部学者が学会を牛耳る日本の現状は、空恐ろしいものがある。もはや、認知戦は市民の日常の中に浸透しつつある。一部のIT企業がイデオロギー操作を行っている現状とは比較にならないほど、複雑で深刻な世界が待っている。教育制度から何から、すべてを変革しないと対応できないだろう。第一には、日本人の意識が変わらなくてはならないのは言うまでもないが。


 見てきたように、AI活用も次の段階に来ていることがわかる。過去の戦争で使用された兵器は、常に楯と矛の関係であり、その開発競争であった。AIもそのような時代に入りかけていると認識すべきだろう。このあたりを政治家や軍事専門家が正しく認識しないと、世界から取り残されるばかりか、他国の属国になるだろう。まあ、今もアメリカの半分属国なのは、別として。

令和5年2月16日(木)

 

2023年02月16日|分類:安保, 政治, 科学