イプシロン、H3ロケットと失敗続きの日本のロケット開発。予算が少なすぎるとの声も聞こえるが、予算を増やせば本当に稼げるロケットが生まれるのか、どうしても首をかしげてしまうところがある。なにか、全体がすでに原子力村と同じような、ロケット村、宇宙開発村のくくりに撞着している気がするのである。
これまでのやり方や考え方に囚われてるとは思わないのだが、次の宇宙時代を見据えたとき、全く新しいロケットエンジンの開発は、すでに相当進んでいなくてならないと思えるのだが、その手の話は聞こえてこないのが心配である。
火星などこれまでとは桁違いの遠くに旅するのが、次の宇宙時代である。このとき、当然大きな問題となるのは、推進力を生み出すエンジンをどうするかという事でなる。その解決策として考えられているのが、原子力ロケットである。核兵器へのアレルギーから、反原子力の意識が強い日本が、さらに原発でも問題を起こしてしまい、原子力の活用はいわばタブーにもなってしまっている。
そういう空気感の為なのか原子力船の開発もうまくいかず、原子力潜水艦も出来ていない。オーストラリアがフランスとの仲違いをしてまで、アメリカの原子力潜水艦導入を決めた。安全保障の問題もあるが、アメリカから教えてもらわないと自国開発が難しいほど、技術的に高度なようである。だとしたら、原潜も造れない日本が、原子力ロケットを持つのは夢のまた夢なのかもしれない。すると、次の宇宙時代では、自前のロケットを持つ事すら諦めるのかどうか、少なくとも、議論くらいは始めるべきだと思うのだが。
他にも気球で問題になった、成層圏などの高度空域を飛行できる航空機(有人、無人)の開発など、ロケット、エンジン、航空機の絡み合う技術分野は、多くある。これらがバラバラではどうにもならない。もう一度、縦割りや既存の枠組みを壊して、検討すべきだと思う。
どこか1社では無理なのだから、技術者を集めて新しい会社をつくってやるのも手であるが。
令和5年2月22日(水)