『水田に「地球最悪の侵略的植物」が襲来し、繁殖拡大に農家悲鳴』との記事が出ました。特定外来生物の水草「ナガエツルノゲイトウ」が発見されて以降、すでに30都府県で見つかっています。高い繁殖力により、放置して置けば、米不足に追い打ちをかけるほどの被害になりかねないと心配されています。
なぜ、日本には無い、こんな植物が急に出てくるのか。ここでも結局、これまでと同じことが言えるわけですね。
一つは、個人が鑑賞用などとして国内に持ち込んだものが、野生に移ってしまった、過去の様々な外来種の国内繁殖と同じだという点です。個人が鑑賞用にならば、どんなものも許されるかのような誤った風習が今の日本社会にはあふれています。麻薬などと同じで、外来種をきちんと取り締まる体制や法整備をしなければ、今後も日本の自然破壊は続くでしょう。
実際、北海道では、猛毒の植物が見つかり、すでに人的被害も出ているのです。猛毒植物は西アジア原産の「バイカルハナウド」で、樹液に触れた後に日光を浴びると、激しい痛みを伴うやけどのような皮膚炎を発症してしまうのです。こんな危険なものがなぜ北大のキャンパスに10株もあったのか?
いずれにせよ、鑑賞用とか、娯楽用とか一時の利益に着目した行いが、後々大きな損害を生んでいるのです。もうすこし、法整備を整えて、外来の動植物等の国内持ち込みを厳しく規制すべきです。間違っても、業者に輸入・販売させることを許すべきではありません。
もう一つが初期対応の不備です。ニュースで取り上げられるようになったときには、すでに国内に広く分布していることがほとんどです。メディアが、お粗末なのは言うまでもありませんが、地方自治体や関係官庁の感度が鈍すぎませんか?被害が出ないと、予算が付かないのかもしれませんが、この予防的対応に対する考え方を、もっと真剣に持つようにすべきでしょう。それには、国も地方も、予算を握る議員たちの意識から変えていかなくてはなりません。
単なるリベラルや環境保護派の極論に惑わされること無く、真に必要なものを見極める力が必要なのです。
令和7年6月29日(日)